黒を基調にしたシックな機体が人気の航空会社「スターフライヤー」(本社、福岡県北九州市)のコックピットを収めた1枚の写真が注目を集めています。機体を正面から捉えているのですが、操縦席をよく見ると違和感が。なんと2人のパイロットさんが手のひら形の「うちわ」を掲げているのです。しかもニコニコ顔のイラスト付き。さながらアイドルのコンサートでよく見る応援うちわのよう。撮影者とスターフライヤーに話を聞きました。
「機長さん…めちゃファンサくれるんだけど」
SNSに投稿したのは、ツイッターユーザーの「チケット発券Uma」さん(@Alyosya18)。
「スターフライヤーの機長さんと副操縦士さんめちゃファンサくれるんだけど 可愛い こんなの推すよね? もう推してるけど これ以外にもハートも作ってくれた」
ギャップに驚いたユーザーたちからは「可愛すぎる」「ステキ」「推します」「お茶目」などの感想が寄せられました。
撮影者「何度も手を振ってくれました」
最近、飛行機を好きになったという撮影者の「チケット発券Uma」さんは23日、お目当てのスターフライヤー機の撮影のため、中部国際空港セントレア(愛知県常滑市)のスカイデッキを訪れていました。そこで偶然、このシーンに出くわしました。
ーー実際にこのシーンを見たときのお気持ちは?
「好きな飛行機のパイロットの方から手厚いファンサービスをしてもらい、こんなことしてもらえるの?!とテンションが上がりました」
ーーツイートでは「めちゃファンサ(ファンサービス)くれる」と表現されていました。
「離陸準備が整うまでの間、こちらに何度も手を振ってくれました。その後もしきりにピースをくれたり、アレンジされたうちわを持ってくれたりしました」
ーーこんな経験は初めて?
「他の航空会社さんが同じかはわかりませんが、スターフライヤーのパイロットさんはよく手を振ってくれるようです。以前もスターフライヤーの機体の写真を撮っている時にスカイデッキにいるギャラリーに向かって手を振ってくれました。ただ、うちわを見たのはこの時が初めてです」
パイロット独自のレアなサービス
スターフライヤーの担当者に尋ねると、写真でうちわを掲げていたのは操縦士歴の長い経験豊富なパイロットさんということが分かりました。
パイロットさんによると、今回の「うちわ」は今から2年ほど前に独自のサービスとして始めた私物なのだそう。パイロットさんご本人に話を聞きました。
ーーなぜコックピットで「うちわ」を?
「コックピットは光の反射具合で外から中の様子があまりよく分からないことが多々あります。出発の際に展望デッキからよくお手をお振りになってくださる方々に応えるために何か良い方法がないかーーと考え思い付きました」
「最初は手の形だけでしたが、笑顔( ◠‿◠ )を描いたら面白いだろうと思い、今の形になりました。私の大学生の娘と小学生の息子に手伝ってもらいハンドメイドで完成させました。機長用と副操縦士用の2組をいつも飛行カバンの中に忍び込ませており、いつでも取り出せるようにしております」
ーー反応は?
「遠くからだとお顔は拝見出来ないのですが、明らかに手を振り返される時の反応が大きいので、きっと喜んでいただけていると思っております。またコックピット内でもより和やかな雰囲気になります」
ーー笑顔バージョン以外にも?
「笑顔の裏側にはスターフライヤーのロゴマークが入ってます。たまにひっくり返してスターフライヤーをさり気なくアピールしております」
過去にも数々のサービス実績あり
同社広報担当者によると、過去には当時の社長自らがカウンター前で搭乗客の靴磨きサービスを行ったこともあったそうです。
また、ハロウィーンやクリスマスなどのイベント時にはコックピットの窓を装飾したり、社員が仮装してお見送りをしたことも。
昨年春には、コロナ禍に入社した社員の発案で、乗客への感謝の気持ちを伝えるボードを持ち駐機場横でお見送り。乗客からは「暑い中、がんばっている姿を見てジーンときました」「大変な時期ですがまた必ず乗ります」などの声が寄せられました。
次回、空港に行った時にはスターフライヤーの黒い機体に注目してみてはいかがでしょうか。もしかしたらコックピットから笑顔マークのうちわがこちらにサインを送ってくれているかもしれませんよ。