新型コロナウイルス感染拡大の影響が、空の旅にも及んでいる。各航空会社は、需要の減少や全国的なイベントの中止・延期などへの対応として、相次いで減便を決定。先の見通せない状況が続く中、北海道の新千歳空港で目撃された「大変な時ですが乗ってくれてありがとう」という航空会社からのほのぼのメッセージが注目を集めている。温かい心遣いに気づいた多くの乗客がTwitterなどに投稿し、「こちらこそありがとう」「泣けてきた」と大きな反響を呼んでいるのだ。
機内にいる乗客に向けて、地上で手作りのメッセージボードを掲げて手を振るのは、スカイマークのランプ管理課の職員。実はこの人たち、1年前にも「北海道うまかったっしょ」「またもぐもぐしにきてね」と書いたボードを持って見送る姿がSNSなどで話題になったという“実績”がある。
今回Twitterに投稿した1人であるKyojiさん(@doraminushi)は「仕事で新千歳から羽田に行かねばならず、正直この時期飛行機に乗るのも気が重かったのですが、一生懸命手を振っておられるお2人と、掲げられたメッセージを見て、ほんの少し勇気づけられたような気がしました」と話す。
スカイマークの担当者は取材に対し、「感染症のニュースが毎日報じられており、不安もありますが、そのような時でもご搭乗いただいているお客さまへの感謝の思いを込めました」と回答。ちなみにスカイマークがこうしたメッセージボードの取り組みを始めたのは、2015年の民事再生直後からという。今回のメッセージ内容は2月下旬に新千歳空港の支店でアイデアが出され、3月4日の790便(新千歳発茨城行)から掲げているそうだ。
政府は大規模イベントなどの自粛や学校の一斉休校の取り組みをさらに継続するよう求めており、航空会社などへの今後の影響は計り知れない。スカイマークも3月13日から19日にかけて、一部減便することを発表したばかり。担当者は「この状況をどうすることもできないのですが、利用してくださるお客さまへの感謝を表したいと思い、メッセージボードを作成しました。早く収まってほしいと願っています」としている。