障害ある子猫、歩けたと思ったら骨折繰り返し 難病「骨形成不全症」疑いも、人間の治療薬で奇跡の“回復”

渡辺 晴子 渡辺 晴子

骨折がなくなり母猫とじゃれあう姿も

5月に入り、順調に改善しているという玄ちゃん。8月で1歳になります。

「骨折の心配はもうほぼありませんが、毎日の投薬を続けて、月に1度レントゲンで骨密度を確認しています。ただ、骨密度もまだまだ玄の年齢レベルまでには達していません。今はとにかく薬の副作用が心配なので、少しでも早く減薬ができるように運動量を増やしてさらなる骨密度向上を目指しているところです。

また、同じ骨形成不全症が疑われる猫の中には、骨密度に問題がないにも関わらず骨折を繰り返している子もいます。骨密度が改善したからといって、100%安心はできません。骨折対策のフロアマットや定期的な検診が一生必要な場合もあることを覚悟しています」と飼い主さん。

一方で、玄ちゃんの病状が改善したなと感じるのは「母猫の澪と取っ組み合う姿を見られるようになったときです。不思議なもので、骨折が続いていた間に澪が玄と取っ組み合いをすることはありませんでした。なめる寄り添う程度の触れ合いは常にしていましたが、お互いに飛びついたりかみ付いたり蹴ったり追いかけ回したりは、元気になった今になってようやく見られた光景です。玄の回復とともに母の愛情を感じて、見るたびに感動します」と笑顔で話します。

飼い主「玄たちの経験が、骨形成不全症の治療法確立に役立てたら」

そして、玄ちゃんが突如襲いかかった骨形成不全症をきっかけに抱くようになった思いを語ってくれました。

「将来的にこうなったらいいなと思っていることが2つあります。1つ目は、玄が投薬なしでも骨折しない体になること。2つ目は、玄の投薬経験や改善までのデータが、今ともに闘っている数匹の骨形成不全症疑いの猫たちと、これから見つかるであろう同じ病の猫たちに役立てたらいいなと思っています。いつか玄たちの経験が基になり、骨形成不全症の治療方法が確立されたならと願っています」

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