熱中症リスクが高まることを事前に知らせる「熱中症警戒アラート」と「暑さ指数」の運用が、今年4月28日から全国でスタートした。アラートは、高いリスクが予想される日の前日夕方や当日早朝に発表されるため、熱中症予防に生かせる。暑さ指数は、温度と湿度などを組み合わせた新たな指標だ。私たちは、これらの情報をどうやって知ることができるのだろう。
アラートを始めるのは、環境省と気象庁、暑さ指数は環境省の取り組みだ。
環境省によると、熱中症リスクを示す暑さ指数は、気温と湿度、日差しで熱くなった地面や建物から発せられる放射熱から算出する。熱中症のリスクは、気温だけでなく、多湿や日差しによっても高まるからだ。
過去のデータから、指数28以上で熱中症患者が増加する傾向が明らかになっており、指数31以上で「運動は原則中止」とされる。おおむね、気温が35度に達すると指数は31を超えるという。
この指数をもとに、アラートが発動される。各都道府県に複数ある「暑さ指数観測点」のどこかで、指数33以上の「極めて危険」な状況が予想される場合、前日午後5時、もしくは当日午前5時に、アラートが都道府県単位で発表される。
実は、アラートは2020年7~10月、関東甲信1都8県で試験運用されていた。このときの発表日数は、東京都17日、神奈川県20日、比較的冷涼な長野県でも5日あった。
京都市は、全国の47都道府県庁所在地で気温35度以上の「猛暑日」が最も多く、滋賀県は京都市より湿度が高いなど、いずれも熱中症のリスクが高い。2020年6~9月の熱中症搬送者数は、京都1509人、滋賀650人だった。
アラートは今年、全国で10月27日まで運用される。私たちは、アラートの発表をどうやって把握すればいいのか。
アラートは、まず自治体の防災情報として発信されるため、防災行政無線などで受け取ることができる。NHKなどの報道機関も伝える。
また、環境省のメール配信サービスに登録すれば、アラートの発表時や一定以上の指数に達したときに、メールを受け取れる。また、暑さ指数は環境省のホームページでも公表されるという。