三浦貴大、偉大な親持つ“二世”“七光り”揶揄の宿命に「光っていないよりはマシ!」

石井 隼人 石井 隼人

レッテルに対しては独自の解釈で受け入れた。「かつて“七光り”だと言われたこともありましたが、僕としてはむしろ“光っていないよりはマシ!”と思っていました」と意固地にはならず「両親のことがメチャクチャ嫌いだったら嫌な言葉だったのかもしれませんが、僕は両親のことは普通に好きだし、両親のことを貶されているわけでもないですから。ただただ“ありがたい!”と受け止めていました」と自身の置かれた環境に謙虚な姿勢だった。

デビュー作『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』で共演した中井貴一からの影響も大きい。中井も人気俳優・佐田啓二を父に持つ二世俳優だ。「中井さんがデビューした頃も、きっと僕と同じような感覚だったのではないかと思うんです。中井さんと直接そのような話をしたことはありませんが、撮影でご一緒した際の振る舞いを見る中で、様々なものを超えてきたであろうことは想像がつきました。中井さんのように一人の役者としてきちんと認められれば“七光り”“二世”なんて言葉はなくなる。自分もいずれそうなりたいと思いました」とベテランの背中に自分を重ねる。

昨年で俳優生活は10年に。主演も張れるし、脇も固められる。悪党もできれば、小市民に扮することもできる。三浦家の次男ではなく、今では一人の俳優・三浦貴大としてキラッと光る逸材になった。父・三浦友和も現役。親子初共演を期待せずにはいられない。

実父との初共演の可能性に三浦は「父は来年で70歳になりますから、僕としては早めに一度くらいは共演したいと思います。しかしながらただ共演するのではなく、僕と父が共演することに意味があるもの、その作品にとって僕ら親子の共演がプラスになるものであってほしいという思いがあります」と思い描くが、正直なところ怖さもある。

「ちょっとまだキツイかもしれませんね。というのも最近の父親が出た作品を見ると驚いてしまうんです。どんな風に計算してその芝居になったのか想像がつかないから。…父はやはり凄い人です」。浮ついた気持ちなく、地道に俳優を続けてきたからこそ湧き上がる畏敬の念。なおのこと親子初共演のときが楽しみだ。

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