エビ、イカ、アサリ、ホタテなど下処理なしで料理をグレードアップしてくれる冷凍シーフードミックス。重宝する反面、解凍せずにそのまま使うと縮みや臭いが気になることも。冷凍食品メーカー担当者に解凍テクニックを聞きました。
「塩水に浸けることでプリプリ食感に」
大手冷凍食品メーカー、ニチレイフーズ(東京都中央区)が勧めるのは「塩水解凍」です。
「海水と同じくらいの塩水(塩分濃度3%程度)に浸けることでシーフードから水分が流出することを防ぎ、プリプリの食感に。シーフード本来の旨味をキープすることができます」(ニチレイフーズ「食」ライフハックメディア「ほほえみごはん」より引用)
同社では以前、塩水解凍したものと解凍せずにそのまま茹でたものを比較しました。塩水解凍したものは、少しふっくらして色も鮮やか。旨みの濃さやプリッとした弾力も塩水解凍の方に軍配が上がりました。一方、解凍せずに茹でたものは、具材の旨みが抜け、水っぽくなったそうです。
超簡単!水と塩だけでできる
塩水解凍の手順は次の通りです。
用意するものは、冷凍シーフードミックス150gに対して、水1カップ、塩6g(小さじ1)。
(1)ボウルに塩水を作る。塩をしっかり溶かしてからシーフードミックスを入れ、30分から1時間おく。常温で夏場は30分、冬場は1時間が目安
(2)指でつまんで、中心部にかたさが残っていなければOK
(3)水を切り、水分を拭き取って完了。水分には余計な臭みが含まれているので、ペーパータオルでしっかり拭き取ってから料理に使う
臭みが出ない裏ワザ
さらに、臭みが出ない裏ワザもありました。
(1)塩水解凍し、水気をしっかり拭き取る
(2)調理の前に酒をふって5分おく。取りきれなかった臭みがアルコール成分と一緒に揮発する
(3)臭み消し食材(ショウガ、ニンニク、ネギ、ハーブソルトなど)と一緒に調理する
(4)加熱は調理の最後に。加熱しすぎると臭みが出てくるので、調理の最後に加える
塩水…味に影響はないの?
気になるのは、塩水に浸けることで具材が塩っぽくならないかという点。同社担当者に尋ねてみました。
ーー塩っぽさが残ったり、味に影響する心配は?
「解凍後に塩水を拭き取り、酒をふった状態のシーフードミックスであれば、塩っぽさが残ったり、味に影響が出たりということはありません」
塩水解凍+臭みを取る裏ワザ、両方行うと完璧といえそうです。
冷凍保存のコツもあった!
皆さん、開封後に残ったシーフードミックスはどのように保存していますか? 筆者の場合、袋の入り口を食品用クリップや輪ゴムでとめて冷凍庫に入れていました。しかしこの方法は「厳禁」だったのです。
密封せずに冷凍庫に入れると、シーフード内の水分が抜けて酸化が起き、食材の味が落ちる「冷凍焼け」を起こしてしまうそうです。
ではベストな保存方法は?
「残った分は冷凍用保存袋に移し、空気を抜くように口を閉じて冷凍する。パッケージごと保存袋に入れてもOK。それでも少しずつ水分は蒸発するので、3週間程度で食べ切るようにしましょう」(ニチレイフーズ「食」ライフハックメディア「ほほえみごはん」より)