ジャガイモ、普段食べているところは「根」なのか「茎」なのか? 身近な野菜の不思議

ドクター備忘録

松本 浩彦 松本 浩彦

 今回は身近な生物学のお話です。これから皆さんも必ず食べられたことがあるはずのお野菜を並べますが、これらはもちろん植物です。植物ですから、根・茎・葉・花・実・種、に分かれるはずです。私たちが普段食べているのは、それぞれどの部位でしょうか?

 ジャガイモ・サツマイモ・タマネギ・ブロッコリー・クリ。さて正解は?(答えは順に、茎・根・葉・花・種)

 茎を食べている野菜は他にも、サトイモ(球茎)、ニンニク(鱗茎)、ショウガ(地下茎)、レンコン(地下肥大茎)、ワサビなどがあります。ジャガイモは塊茎と言われます。

 他に根の部分を食するのは、ゴボウ、ヤマイモです。根の一部が太くなった部分を食用にしています。サツマイモを土に埋めると、片方からは茎が、反対側からは糸のような細い根がたくさん生えてきます。

 花を食べているのは他に、カリフラワーやミョウガですが、正確には花のつぼみを食べています。ブロッコリーを2週間ほど放置すると、小さな粒々が黄色に開花します。ちなみに、野菜ではありませんが、イチジクも花です。イチジクを漢字で書くと「無花果」と書きます。

 タマネギを縦二つに割って断面を見ると、根元の短い部分が茎でその周りを「鱗葉」と呼ばれる葉っぱが、巻くように重なっています。鱗葉の数はたいてい8枚です。輪切りにして、いちど数えてみてください。

 クリは硬くて茶色い鬼皮が果肉で、渋皮と中身が種です。一般的なナッツ、アーモンド・くるみ・マカデミアナッツなどは種ではなく、種の中の「仁(じん)」といわれる部分を食べています。梅干しの種を割ると、中にもう一つ白い小さな実がありますよね。あれが天神様とも言われる「仁」です。

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