もしかして、わが子が吃音!?…誰にでもありえる発症、症状を加速させない配慮を

長岡 杏果 長岡 杏果

私の友人(東京都在住、20代、シングルマザー)には、5歳になったばかりのAちゃんがいます。Aちゃんは、会話ができるようになったころから言葉が出づらかったり、話し始めの言葉を長く伸ばしてしまったり、どもってしまうということが多々ありました。おしゃべりが始まる1歳半くらいのときは全く気になりませんでしたが、成長して会話ができるようになるにつれて顕著になっていきました。友人も気になるところではありましたが、まだ小さいし、成長するにつれて気にならなくなっていくだろうと思っていました。

話し方がおかしいよ

しかし、Aちゃんが3歳のとき、元夫との面会日のとき元夫から「話し方おかしくない?どもってるじゃん。病院には連れて行ってるの?」と言われ、友人は途端に不安になりました。今まで周りに指摘されたことがなかったので、そんなにひどい?病院で相談しなきゃいけないほど?と自問自答を繰り返しました。

Aちゃんが4歳になったある日、保育園から帰宅するととても悲しそうな顔で「今日ねお友達にバカにされたの。マネしてくるんだよ」と言うので話を聞くと、言葉のつまりや、言葉の始めが伸びてしまうのをマネされたというのです。友人はやっぱりなという気持ちともっと早く何かをしてあげられたのかという申し訳ない気持ちになりました。

心配しなくて大丈夫

そのことを担任の先生と定期受診している主治医に相談。担任の先生からは「他にも似たような子がいるし、Aちゃんだけではないので心配ないですよ。気にかけてみます」という言葉をもらい、担任の先生を信じて任せることにしました。また、主治医からも「これくらいの年齢ならさほど心配することないですよ。これから成長するにつれて落ち着いてくると思うので様子をみましょう。今できることはひどくならないように対応してあげることです」とアドバイスをもらいゆっくり気長に付き合っていく決心ができたといいます。

5歳になったAちゃんは今もスムーズに話せないときはありますが、周りから指摘されたり、マネされたりするほどではなくなったそうです。

吃音症は誰にでも起こりえる

吃音症は言葉が急激に発達する2歳~4歳のときに、10人~20人に1人の割合で起きるといわれています。Aちゃんもちょうどこの時期に症状がひどくなりました。吃音症には波があり、良い時と悪いときがあります。しかし、成長するにつれて改善されていくと言われており、それには良い環境が必要だそうです。

良い環境とは、吃音症が加速しない環境です。それには、親はもちろん周囲の理解と協力が必要です。

例えば

・話し方が変だと指摘しない
・マネをしない
・早く話すように急かさない
・「落ち着いて」「ゆっくり話して」など話し方の指摘をしない
・話を最後まで聞いてあげる、さえぎらない
・「なんで?」「どうして?」難しい質問はしない

などとなっています。上記のような対応をすると、本人も話し方が周りと違うのかな?と気にしてしまい、吃音症を加速させてしまいます。

話し終わったときには、「~だよね」「~だったね」と繰り返したり、話の内容をまとめてあげると子どもは伝わったと喜びにかわり、話すことが楽しいと感じるようになります。

それでも中には子ども本人が苦しいと感じていたり、改善が見られなかったり、本人から訴えがあった場合には専門家への相談が必要です。言語聴覚士や言葉の教室などもあるので、かかりつけ医や保健センター、児童発達支援センターなどにまずは相談してみるといいでしょう。

子どものサインを見逃さない

集団生活をしていると、周囲の子とわが子が違うと不安や心配は募るでしょう。しかし、できる限り親は落ち着いて対応することが大切です。また、子どもの話をよく聞いてあげて、様子を観察してその子にあった対応ができるように体制を整えてあげられるといいですね。

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