冬の海辺や湖畔は、越冬するカモたちで大賑わい。仲良く並んで泳いだり、羽繕いしたり、時にはエサを奪い合って喧嘩している姿も。どれも愛らしいものですが、先日、2羽の仲睦まじい「お尻」の写真が、ネット上で話題を呼びました。
撮影したのは、野鳥写真家の宮本桂(@KE_mi)さん。「ナカヨシガモ」という言葉とともに投稿されたツイートには、オカヨシガモのオスとメスが、見事なシンクロぶりで水に潜り、水中の水草などを食べている姿が。その愛らしさに「こういうオチリは、見がいが有るなぁ(笑)」「かわええのぅ」などの声が上がる一方で、恐ろしい犬神家の一族のポスターの画像を連想する人もいたり…。これまでに1.6万のいいねが寄せられています。
宮本さんに聞きました。
ーこのカモはどこで撮影されたのですか?
「津市内の河川で今年2月に撮影しました」
ーめちゃくちゃ息が合ってますが、つがいでしょうか。
「恐らくつがいです。個人的な観察の範囲ではつがいで採餌してることはよくあります。海が近く水位が変わりやすい場所で、オカヨシガモは水中や水底の生物を食べるために冬季、この付近に集まっています」
ーこんな体勢はよく見られる?
「通りがかりに見かけた場面ですが、繰り返しこの姿勢になることは知っていたので、写真自体はすぐに撮影できました。一般的な観察という意味であれば、水位や水温の変化でエサになる水中の生き物が増減するので、季節によって見つけやすさは変わりますね」
カモの仲間は、名前が似た「ヨシガモ」などオスが華やかな羽を持つ種類が多いですが、オカヨシガモは日本で越冬するカモの中でも「地味さ」で有名(?)なカモといい、ネット上には「セピアを極めたカモ」「ラテカラーの王」といった紹介も。でも、オスはこのお尻の黒い部分がポイントなのだそうです。
自宅にツバメの巣ができたことがきっかけで、野鳥の写真を撮るようになったという宮本さん。このアカウントなどでも鳥たちの美しい姿やコミカルな姿が生き生きと紹介され、絵描きさんたちのバイブル?にもなっており、今後も「人間の目では捉えきれない鳥たちの姿をお伝えできればと思っています」と話してくれました。