「うちの事業者、見てやって!」メディアに向けて商工会が全力バックアップ!チャレンジングな取り組みに迫る

國松 珠実 國松 珠実

「うちの商品、テレビで紹介してもらえたら」「マスコミに取り上げられたい」。そう願う事業者は多いだろう。でもどうすればいいのだろうか。
2月16日に、兵庫県三田市の三田市商工会が、地元の中小事業者4社の「第1回 新商品・新サービス合同記者発表会」を開いた。地方の事業者合同でのプレス向け発表会は、事業者も、開催する商工会も初めて。新たな取り組みについて、三田市商工会の佐藤めぐみさんに聞いた。

 プレス未経験の、がんばる複数事業者を紹介したい!

 当日は、自然食品などのインターネット通販を行う企業や子どもの整理収納習慣を身につけるおもちゃ事業、訪問理美容サービス事業と、地元名産「三田うど」をメニューに出す老舗飲食店の4社が登壇。それぞれの新商品のアピールと、開発秘話や思いを語った。その模様はライブ配信され、コメント欄に質問も寄せられた。

 新型コロナウイルスの影響で、三田市商工会に加盟する1000以上の事業者のうち、約5%の顔ぶれが入れ替わった。「そういう困難な中でも、新商品を開発したり新たな販促方法を模索したりと、熱い思いを持ってがんばる事業者がいる」と励まされた佐藤さん。そしてより多くの人に、彼らの事業を知ってもらえたらと思ったのが、今回の発表会のきっかけという。

「大きな都市の商工会議所ではなく、私たちのような小規模の商工会が単独で、しかも複数の事業者と合同で記者発表会を開催する例はほとんどない。今日まで、とんでもなく大変だった」と笑顔で話す。

 いくら良いものでも、価値を伝えなければ意味がない

 合同記者発表会の開催に向けて、三田市商工会は、発表する事業者の選定から始めた。まず加盟事業者を対象に、広報やプレゼンの勉強会を秋にスタートし、12月に4社を決定。プレスリリース作成やパワーポイント使ったプレゼンの個別指導など、5回の勉強会を重ねた。講師は、広報アドバイザーでポワンジョリ代表の鈴木美和さん、プレゼンテーションはアニバーサリーボイス代表の東大悟さんに依頼。事業者にとって短期間のハードな挑戦だったが、同じく未経験の商工会メンバーは、伴走者となって支えた。この取り組みが、三田市の事業者全体に与える活力になると考えたからだ。 

広報アドバイザーの鈴木美和さんは「いくら良いものでも、価値を伝えなければ存在しないのと同じ」と語る。また、マスコミに取り上げられるメリットは、売り上げや知名度アップだけでなく、従業員が自社に誇りを持つようになることという。

 「三田市には高い専門性を持った事業者が多く、いろんな人に助けられた。当日のライブ配信も、三田市内の平瀬楽器さんのご協力のおかげ」という佐藤さん。「三田市をもっと元気に。素晴らしい力を秘めた事業者を世に出すために、来年も再来年も開催していきたい」と意欲を見せた。

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