「ローンは組まぬ!」俳優・奥田瑛二を支える賃貸ポリシー かつては野宿経験も

石井 隼人 石井 隼人
継続の秘訣を明かす、奥田瑛二(撮影:石井隼人)
継続の秘訣を明かす、奥田瑛二(撮影:石井隼人)

長い道のりを歩くのに必要なことは物欲を捨てること、そしてローンを組んで豪邸を建てないことだという。安定の保証されない仕事ゆえに、未来よりもまず、目の前を着実に歩むことが必要。駆け出し時代の野宿暮らしの経験もあって、俳優業に安泰なしと肝に銘じている。

「僕はこれまで何十回と家を買うことを勧められましたが、かたくなに『賃貸でいい!』と絶対に買いませんでした。ローンで豪邸を建てたことでダメになった奴を沢山知っています。賃貸とローンでは精神的な負担が違う。無意識のうちにローンという負担に身も心も縛られる。賃貸だったら、家賃が払えなくなったら安いところに引っ越せばいいだけの話ですからね」。金か夢かわからなくなる暮らしと無縁でいることも、息の長い俳優生活を支える秘訣なのだろう。

2月20日公開の映画『痛くない死に方』では、娘・サクラの夫で俳優の柄本佑と共演。ベテラン在宅医・長野浩平を演じる。相手役は愛娘の婿殿だけに「義理の息子の主演映画ですから、そこでボロボロになるわけにはいきません。僕の演技がもしダメだったら、それこそ『あんた婿さんの作品でなんてことをしてんの!?』と親戚中に言われて取り返しのつかないことになりますから。静かなる気合を持って臨みました」と照れ笑い。流浪していた駆け出し時代がウソのように、奥田瑛二俳優生活45年目は順風満帆のようだ。

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