年賀状を印刷したくてもプリンターが手に入らない…需要拡大の背景にコロナ禍が?

天草 愛理 天草 愛理

 皆さん、年賀状を作ろうと家庭用プリンターを買いに行ったのに、品薄で手に入らなかったということはありませんか?今年は多くの家電量販店で、家庭用プリンターの在庫切れが相次いでいます。業界関係筋によると、背景の一つに新型コロナウイルス禍があるということです。感染の拡大と家庭用プリンターの需要にどのような影響があるのでしょうか。詳しく話を聞いてみました。

 12月中旬、京都市内の家電量販店。プリンター売り場には商品がずらりと並んでいましたが、よく見るとその多くに品切れを知らせる張り紙が。別の家電量販店をのぞいても、同様の状況。いったいどうしたのでしょう。

 キヤノン製プリンターなどのマーケティングを手掛けるグループ会社、キヤノンマーケティングジャパンの広報部は、新型コロナウイルス禍の在宅ワークや自宅学習のニーズに、年賀状印刷の需要が重なったことが要因とみられると説明します。

 家庭用プリンターは例年、年末に最もニーズが高まりますが、今年は新型コロナウイルス感染拡大によって自宅で過ごすことが一般的となり、家庭用プリンターの需要が増大したそうです。キヤノンがペーパークラフトの素材などを無料で配布するサイト「キヤノンクリエイティブパーク」でも、素材データのダウンロードが増えていて、資料や課題のプリントアウトだけでなく、在宅時間を楽しむことにも一役買ったようです。

 緊急事態宣言のさなかは低価格帯の製品を中心に売れたといいます。担当者は「例年に比べてかなり品薄になっていて売り切れている機種は多いですね。1か月待ちになっているものもあります」と話します。

 そうした状況はプリンターの価格からもうかがえます。総務省が毎月発表している全国消費者物価指数(2015年=100)によると、プリンター価格は例年10~11月に160~140と高水準で推移しますが、今年はさらに需要が大きいためか、9~11月で170台と高止まりしています。

 いったい品薄状態の解消はいつになるのでしょうか。担当者は「未定ですが、機種によっては在庫があるものもありますのでそちらを購入してください」としています。

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