帰省をしない年末年始、会えない家族や友人に贈るギフト・マスクは「呼吸楽々」と「抗ウイルス」の2種類

北村 泰介 北村 泰介
水泳用品メーカーが新発売した「ギフト・マスク」
水泳用品メーカーが新発売した「ギフト・マスク」

 新型コロナウイルスの感染拡大によって生活必需品となったマスク。贈答品としての商品も開発されている。今冬を前に、「ギフト・マスク」を発売した水泳用品メーカーの「フットマーク株式会社」(東京都墨田区)の担当者に、その背景や通常マスクとの違いなどを聞いた。

 同社では「じんわ~りあたたかマスク」シリーズの「呼吸楽々」と「抗ウイルス」タイプの2種類から選ぶことができ、2枚1セットでギフト仕様の専用パッケージに入れた「ギフト・マスク」(1540円~1760円)を11月25日に発売。「呼吸楽々」は2層式マスクで表も裏も肌あたりの良い吸湿発熱素材を使用し、呼吸がしやすいマスクがほしい人向け。「抗ウイルス」は抗ウイルス加工・制菌加工を施した生地を表地に採用。肌側に吸湿発熱生地を採用した2層マスクだ。

 贈答品とした背景について、同社は「コロナ禍で新しい生活様式が定着しつつあり、いまやマスクはお互いの健康を気遣うエチケットのようなものになっています。大切な人の健康を想い、贈る人も受け取る人も笑顔にするやさしい気持ちを込め、マスクをギフトにしました」という。

 マスクは自分のために購入する「消耗品」というイメージがあったが、人のために贈るという認識が広がりつつあるという社会背景があるのだろうか。

 同社広報室の吉河祐子さんは当サイトの取材に「(ギフト・マスクは)初めての試みです。既存のマスクを販売していく中で、自分のためだけではなく『誰かにマスクを贈りたい」という方が多数存在することを知りました。年末のお歳暮、クリスマス、また1年の感謝、来年のバレンタインなど様々なイベントでのプレゼントの候補に入れていただきたいと企画しました』と明かす。

 通常のマスクと贈答用マスクの違いについて、吉河さんは「専用パッケージに入っていることが大きな違いです。これまでも既存のマスクで一定のギフト需要がありましたが、特にプレゼントラッピング対応はしていませんでした。専用パッケージに入れることで遠方に住む方にもそのままお贈りいただけますし、ギフトとして分かりやすいメッセージが込められるのではないかと思います」と指摘。「今後につきましてはパッケージが選べる、マスクが選べるなど、より柔軟な対応ができればといくつか社内でもアイデアが出ています」と付け加えた。

 発売から3週間ほどが経過したが、反応について「まだ動きは緩やかですが、これから年末に向け、プレゼントとしての購入を期待しています」と吉河さん。来年以降に向けて「今後もお客様の生活にそったマスクを企画していきたいと考えています。いまの状況だからこそ喜ばれる、新しいギフトの形として継続して販売していく予定です」という。

 さらに「余談ですが」として、吉河さんは「今年の秋に法人用にもお年賀升久(マスク)という商品を発売しています。法人同様に個人間でも気軽にマスクを贈り合えるシーンがあるのではないかという発想から今回の企画が生まれました」と補足した。

 冬限定というわけではない。吉河さんは「あえてシーンを特定する商品名にはせず、様々な場面で気軽に贈り物をしていただければという思いを込めて『ギフト・マスク』としました。しばらくはマスクが手放せない状況が続くと思いますので、正月のお年玉、バレンタインデー、父の日、母の日、敬老の日、ハロウィーン、クリスマス等の季節もの、誕生日、結婚記念日、合格、入社祝い等イベントごとにぜひギフト・マスクも候補に入れていただけるとうれしいです」と語る。

 12月も半ばを過ぎ、寒さが身に染みる季節になった。1日の感染者数が一気に800人台に乗るなど危機感が募る東京都は「年末年始コロナ特別警報」で忘年会、新年会の自粛などと共に、帰省を控えることを呼びかけた。

 「帰省をしない年末年始」が求められている今、マスクはコロナ禍で会えない家族や親せき、友人、知人らに向け、互いの健康を気遣って贈るアイテムの1つとして改めてクローズアップされている。

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