今年は、新型コロナウイルスの「第3波」が収束しないまま、年の瀬を迎えつつある。京都新聞社は、双方向型報道「読者に応える」のLINE(ライン)に友だち登録している京都府と滋賀県の在住者に、年末年始の帰省についてどう考えているか、アンケートを実施した。「今年は帰省しない」という意見が多く、感染拡大防止のため移動を控える傾向が浮き彫りになった。
年末年始に帰省するかどうかの設問では、「例年は実家に帰省するが、今年は取りやめる」「例年は子や孫が帰省してくるが、今年は帰省しない」との回答が計815人で、約34%を占めた。
「実家は高齢の親がおり、重症化の恐れがある」(60代女性・京都府)「感染拡大の可能性があり、東京で暮らす娘もあきらめている」(50代男性・京都府)など、感染を避けるためという声が大勢を占めた。医療・介護従事者からは「職場の規定で家族以外と会食禁止のため、自宅で家族だけで過ごす」(40代女性・京都府)といった声が複数寄せられた。
四国への帰省を断念したという京都府の30代女性は「毎年小さな子を連れ、親戚が集まり楽しい帰省なので、残念で残念で泣けました。90歳前後の祖父母の寿命が、コロナ禍に来てしまわないことを祈ってます」とつらい心情を記した。ほかにも「東京の子や孫とリモートで会う」(70代女性・京都)という声もあった。
一方、「いつも通り帰省する」「いつも通り子や孫が帰省してくる」と回答したのは、計507人で全体の約21%だった。
「今年父が亡くなり、高齢の母一人で正月を過ごさせるのは酷なので、気をつけて帰省する」(40代女性・京都)「公共交通機関を利用せず自家用車で帰る」(50代女性・滋賀)などの意見があり、「3密」などに配慮しながら移動するという声が多かった。
「まだ決まっていない」とした人は、全体の25%の605人だった。
「直前まで感染状況を見て判断したい」(50代男性・京都)などの意見があったが、アンケート調査終了後の14日、政府が「Go To トラベル」の一時停止を決定したため、帰省を見合わせる動きはさらに大きくなる可能性がある。
全国知事会は11月、年末年始の帰省について「人の移動が集中し『密』になりがちなため、帰省や休暇などを分散して」などとメッセージを公表。京都府と京都市は12月9日、感染拡大地域との不要不急の往来自粛を呼びかけ、京都市の門川大作市長は「帰省などは慎重に判断してもらいたい」と話していた。
アンケートは、11~13日に実施し、京都府と滋賀県に在住の2411人から回答があった。