忠犬ならぬ忠猫…帰りを待つ白三毛の姿を見守りカメラで確認「旅行初日から会いたくなった」

渡辺 陽 渡辺 陽

埼玉県大宮市内のある公園で野良猫の親子が保護された。2匹はずっとえさやりボランティアからごはんをもらっていたので人にはなれていた。譲渡会で母猫・リリィちゃんに一目惚れした渡辺さんは、一緒に暮らすことにした。

 

野良猫親子を保護

公園で暮らしていたリリィちゃんは2歳くらいで、1歳に満たない自分の子を1匹連れていた。2017年4月、リリィちゃんが妊娠したので、保護猫カフェのファニーキャットに保護の依頼がきたという。

妊娠中で警戒心もあったので、捕獲器で子どもと一緒に保護した。その後、猫カフェで元気な子猫を出産した。子猫の里親はすぐに見つかり、リリィちゃんはお客さんの前でゴロゴロ、スリスリするなど甘えん坊っぷりを発揮して、カフェの人気者になった。

白三毛の猫の美しさに心を奪われて

そのころ渡辺さんは、入院していた母親の見舞いに行った帰り、デパートに立ち寄った。そこでは、譲渡会が開催されていた。当時、猫を飼おうと思っていたわけではなく、保護犬や保護猫のことも知らなかったが、ふらりと会場に入ってみた。

譲渡会にいたリリィちゃんは、まったく物怖じせず、ケージの前方で、渡辺さんのほうを見ながら座っていた。顔だけ柄が入っていて、身体は真っ白な白三毛。渡辺さんは、「なんてキレイな猫なんだろう」と一目惚れした。

「この子がいい」と言ったら、保護団体の人は、「こんなにたくさん子猫がいる中で、成猫を気に入ってもらえて有難い」と驚いていた。

「リリィは白三毛だったのですが、当時、私は、白三毛なんて言葉は知らず、譲渡会では子猫が人気だということも全く知らなかったんです」

旅先からカメラで様子を見ていたら…

同年11月19日、渡辺さん宅にボランティアがリリィちゃんを連れて来てくれた。ケージを用意していたが、リリィちゃんはすぐにケージから出て、家の中を“探検”した。その後、日なたの窓辺でくつろいだ。その様子に、ボランティアも驚いていた。

渡辺さんは働いているので、リリィちゃんは長時間留守番することもあるが、いたずらをすることもなく、静かに過ごしていた。

里親になって半年後、渡辺さんは旅行で一週間家を空けることになった。キャットシッターさんに来てもらい、旅先からは見守りカメラでリリィちゃんの様子を確認した。リリィちゃんは夜になると、いつも渡辺さんの帰りを待っていた。ソファの背に乗って、ドアの方をずっと見ていた。

その様子をカメラで見ていた渡辺さんは「もう、旅の初日からリリィに会いたくなりました。一週間も家を空けたから、私のことは忘れているかなと思いましたが、家に帰ると熱烈歓迎、ゴロゴロ、スリスリしてくれました」とさらに愛情が深まったという。それ以来、一夜たりとも家を空けたことはないそうだ。

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