東京都内の住宅地で野良猫が産んだ子猫たち。テオくんとナスカちゃんは、野良時代からいつも2匹一緒に仲良く暮らしていた。ペットを飼うのは初めてなので、最初は1匹から始めたいと思っていた畑山さんのご主人だが、譲渡サイトでテオくんとナスカちゃんを見つけ、仲良しだったことを知り、一緒にもらうことにした。
譲渡サイトで猫を探す
畑山テオくんとナスカちゃんは、東京都練馬区の住宅地でお母さん猫と一緒に暮らしている5匹兄弟のうちの2匹だった。不憫に思った人がエサをあげていて、その地域でTNR活動をしているボランティアさんと一緒に母子を捕獲した。子猫たちは生後2カ月くらい、餌付けしていたので比較的たやすく保護できたという。2013年8月のことだった。
その頃、東京都に住む畑山さんは、マンションを購入したのをきっかけにペットを飼おうと思っていた。ご主人は動物と暮らしたことがなかったが、大の動物好き。奥様は、実家で猫を7匹飼っていたので、まったく抵抗がなかった。
ただ、最初、ご主人はペットを飼うと言われてもピンとこなかった。「マンションも買ったばかりだし、どうしようかなあ・・・譲渡会に行くのはプレッシャーに感じるし」と思い、譲渡サイトで猫を探すことにしたという。
「譲渡会はペットショップのウインドウを見に行くのとは違うでしょう。その子に会いたいと思って、目的を持って行くところだと思うんです。確実に会いたいと思える子が見つかるまでは行かないと思いました」
ただの人見知り
2013年10月、テオくんとナスカちゃんは、譲渡サイトに2匹一緒に掲載されていた。少し怖がりで、捕獲される前から、いつも2匹一緒にいたのだという。「2匹一緒に迎えてくれる人を優先したい」と書かれていた。5匹のうち1匹は交通事故で亡くなっていて、残る2匹は1匹ずつ掲載されていた。
ご主人はペットを始めて飼うので、「飼うなら当然1匹から」と思っていたが、テオくんとナスカちゃんが仲良しだったことを知り、保護主さんのブログも読んで、「そんなに仲が良いのなら2匹一緒にもらおうか」ということになった。
10月初旬、夫妻は2匹に会いに行った。怖がりなので、2匹はぴったりくっついてケージの隅で縮こまっていた。
「生後3カ月だったのですが、すごく大人しくて、怒らなかったんです。先住猫もいないし、徐々に慣れてくれるかなと思いました。ボランティアさんと一緒に寝ている写真もあったので、ただの人見知り。大丈夫だと思いました」
「最初は不安でも2匹で支え合えるし、うちは共働きなので、1匹だと留守番する時かわいそうなのでよかったんです」
2匹で寄り添い成長
11月、生後4カ月の時に畑山さんは2匹を迎えた。ドーム型のトイレを用意していたのだが、かごから出すと、すぐにトイレに引きこもった。ボランティアさんが帰ると、今度はソファの下に潜ってしまった。しかし、翌日からは、怖がっていても時折外に出てきて、用意しておいたベッドで寝ていた。
「野良猫だったので警戒心が強く、なんでも初めてのことが怖いようでした。何かあるとベッドやソファの下に隠れてしまう。ただ、常に2匹寄り添っていられるので、一週間もするとなれてきました」
成猫になってもいつも一緒にいる2匹。後にレグルスという猫が加わるが、3匹とも仲良くしているという。
畑山さんは、少しでも猫たちが快適に暮らせるよう「猫のためのDIY」にすっかりハマってしまい、 肉球が見える透明キャットウォークやキャットステップ、壁をくり抜いたキャットトンネルを作り、今年はハンモックが好きなレグのために、キャットハンモックを作った。すっかり猫中心の生活になっている。