それでは以下に大人や保護者ができる具体的な対応方法をご紹介します。
対処方法
①「どうして人の気持ちが分からないの?」など抽象的な言葉かけはしない
人の気持ちに気づきにくいからこそ、つい余計な一言を言ってしまうわけですから、「どうしてそういうことを言ったの?」と言われても、子どもはその理由を答えることはできません。もしかしたら「髪型が似合ってないと思ったから」と答えるかも知れません。
また、「そう言われると、どんな気持ちがすると思う?」と聞いても、人の気持ちが分かりにくい子どもの場合は、やはり答えに困るでしょう。そういった抽象的な(子どもに思考させようという)言葉かけでは、伝わりにくいため、もっと具体的な声掛け(事実を伝える)をしてみましょう。
例えば「髪型が似合ってないと言われたから、◯◯ちゃんは泣いてしまったね。『この髪型もいいね』って言ってあげれば、笑ってくれるかもね」といった、具体的な方法を教える方が理解しやすくなります。
②大人が代弁してあげる
保護者の方だけでなく、学校の先生にこそ理解していただきたいことなのですが、「言い直しなさい」と修正させたり、「謝りなさい」と(本人がなぜ謝らないといけないか理解していないのに)強制したりすることよりも、言われた友達に向かって「◯◯くんは、こういうことが言いたかったんじゃないかな」と代弁してあげることも効果的です。
大人がやんわりと間に入ることで、言ってしまった子、言われた子のどちらもケアでき、またクラスの他の子にも安心感を与えることができるという、いわゆる「三方良し」とすることができます。
③最後はフォローする
上にも書いたように、発言した子ども自信も、不安になっていることが多々あります(もちろんそのように見えない場合もありますが、心の中では不安がっていたりします)。そのため、最後に「これからも何か言ってしまった後で心配になったら、先生(あるいはお母さん・お父さん)に言ってね。今日みたいに助けてあげるから」と伝えることをぜひ実践してください。
実はこれには大きな意味があります。それは、「困ったことがあった時、『助けて』と言えば、助けてくれる人がいる」ということを子ども自身が学ぶきっかけになる、ということです。
まとめ
・思ったことをつい口に出して、友達との関係を上手く構築出来ない子どもがいます。
・そういった子どもは「人への関心が薄い」「人の気持ちに気づきにくい」といった特性を持っていることが多くあります。
・その場合、①どうして気持ちが分からないのといった抽象的な言葉掛けはしない、②大人が代弁することで上手く間に入る、③最後に不安が残らないようフォローする、といったことが大切です。