「賞味期限切れ、いつまで大丈夫?」と悩む方は多いのではないかと思う。我が家も例にもれず、期限切れ食材について「大丈夫でしょ」「いや、これあかんやろ」と妻とのやりとりが日常化している。ネットで検索すると、食材ごとに「いつまでなら大丈夫」と様々な諸説が掲載されている。無理して食べてお腹壊しても元も子もないと思う一方で、年間1500万トンと言われる食品ロスはもはや社会問題になっている。
一体、いつまで大丈夫なんだー!?と疑問を期限切れや期限切れ間近の商品を専門に販売する食品ロス削減ショップecoeat(エコイート)大津瀬田店の橋本広宣社長に話を聞いた。
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―ecoeatでは期限切れの商品を販売されていると聞きましたが…
当店では、スーパーや小売店からメーカーに返品されてきた商品を主に取り扱っています。
―それはもう売れないから戻ってきたものでは?
食品業界では、1/3ルールという暗黙のルールがあり、賞味期限が6か月とすると、2ヵ月前までしか販売しない(販売期限)というルールになっています。この戻ってきたものが廃棄処分されるケースが後を絶たず、これが食品ロスの最大の要因になっています。これらを再流通させているのです。
―しかし、期限切れ食材で食中毒や腹痛を起こすリスクはありませんか?
ざっくり言うと、ドリンク類なら半年、食品なら3カ月はまず大丈夫です(※全てではありません)。例えば、缶なら一年、ペットボトルなら半年は大丈夫というように、メーカー、パッケージの素材、中身によって判断は分かれますが、開業以来、お陰様で腹痛などのクレームはゼロです。
―すごい自信ですね。
当店では、商品知識をしっかり持った販売員を店頭に常時2~3名配置し、安心して購入できるように努めています。場合によってはその場で試食して頂き確認もして頂いています。
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確かに、店内の至る所には説明書きがあり、店員は、悩んでいる買い物客に声を掛ける。
「実はミネラルウォーターに書かれた期限はペットボトルの容器の期限なんです。水自体は全く問題ありません。ご安心して飲んでいただけますよ」
「味噌も期限が切れても大丈夫!特に減塩でない通常タイプは腐りません。冷凍庫に入れて普通にお使いください。味噌は凍らないので」
そうだったのか!?と驚きながら、納得させられる説明を受け、買い物客も安心してカゴに商品を放り込んでいた。
また、面白いのは、某メーカーのコーヒーマシン専用ポーションという通常販売しても売れず廃棄されるような商品も、ポーションを開封して粉を取り出してコーヒーフィルターで濾せば美味しいコーヒーが飲めるという説明が書かれ、9割引きで売られていた。
ちなみに、購入して家で飲んでみたが、確かに普通に美味しく飲めた。
ちなみに、この店で一番古い商品は「バジルの風味付けができるスプレー28円」だが、既に賞味期限は一年が過ぎている。一年ってマジか?
「この手の商品は賞味期限などありません。絶対安心してまだまだお使いいただけます」と小西店長は胸を張る。
余りに無頓着なのも考えものだが、見方を変えれば、一人当たり年間50キロと言われる食品ロスも少しは減らせるのではないだろうか。
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▽Ecoeat大津瀬田店
〒520-2143 滋賀県大津市萱野浦24-65レイクサイドガーデン内コモンズ棟1F
電話番号 077-548-6804
ecoeat店舗一覧 https://www.mottainai-shokuhin-center.org/store/