2022年のクルーズ船ツアー予約が歴史的記録 米クルーズ会社が発表

谷口 輝世子 谷口 輝世子

米国フロリダ州に拠点を置くリージェント・セブン・シーズ・クルーズが10月21日に22~23年のツアーの発売を開始したところ、同社の28年の歴史の中で最多の予約を受け付けたと発表した。これまで最も予約のあった日の記録を40%近く上回り、アフリカ、アジア、地中海、北欧(特にバルト海)のクルーズは特に人気があったという。

今年2月、横浜港に入港した大型クルーズ船で新型コロナウイルスの集団感染が発生した。世界でもクルーズ船内で集団感染が起こったケースがあり、予定されていたツアーは次々に中止に追い込まれた。しかし、感染リスクが軽減したら、再び船の旅を楽しみたいと願う人は少なくない。

広報担当者は「他の追随を許さないリージェントの体験に対する将来の驚異的な需要を示していると思います。旅行者は、豪華で広々とした船ですばらしいパーソナルなサービスを楽しみながら、再び海の上に戻って世界を見るのが待ちきれないのでしょう」と人気の理由を分析した。

9日には新型コロナウイルスのワクチン開発への期待から、ダウ平均株価が急騰。これを受けて日経平均も10日、一時29年ぶりの2万5000円台をつけるなど世界的に株高となった。ただし、クルーズ・ツアーの予約は先月のことで、このワクチン開発の進捗とは関係なく、2年後の2022年になれば、新型コロナウイルスに感染するリスクが減るのではないか、と人々が考えていたことになる。

ディズニー・クルーズ・ラインはもともと今春に予定していたハワイへのクルージングを22年夏に延期すると発表している。また、ロイヤル・カリビアン・クルーズでは、新型コロナウイルスの感染防止策をテストするために、米疾病予防管理センターの感染防止のルール通りに、まず従業員らのスタッフでシミュレーション航海する構想を明らかにした。

同社はホームページで「私たちはお客様を船上にお迎えしたいと切望していますが、その間にもやるべきことがたくさんあり、正しいことをするために時間をかけることを約束しています。これには、新しい健康と安全のためのプロトコルのトレーニングや、実際の状況でそれらのプロトコルをストレステストするためのいくつかのテスト航海を実施することが含まれています」としている。

これらとあわせて、米国の一部のメディアで、テスト航海に乗客ボランティアとして参加する人が必要かもしれないという同社の案が報道されたため、乗客のボランティアとしてテスト航海に参加したいという問い合わせが多数寄せられたという。

実際には、ボランティアは募集していないが、豪華客船の旅を待ち望んでいる人たちが少なくないことのあらわれだろう。

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