「驚愕。カバ、速く泳げるんです」-。そんな飼育員の驚きが先日、ツイッターに投稿されました。
そこには「ドドドドドーッ!」「ザッバーン」。水中に潜っては飛び出し、まるで潮吹くクジラみたいな巨大生物…カバ!あの、カバじゃないですか??
ツイートしたのは、長崎バイオパーク(長崎市)。驚きの動画には 「こんなに速く泳げるとは!」「水陸両用車みたい」「バタフライ…いや『カバフライ』」との声が続々と。動物園ではおなじみの動物ですが、水面に出た岩だと思ったら背中だったとか、大きな口を開けて虫歯予防PRに活躍する温和なイメージなのに、カバってもしかしてバカにできないくらいものすごい潜在能力がありそう。このダイナミックな泳ぎを撮影した飼育員の春岡さんに聞きました。
-速さとジャンプ力にびっくりです。
「実は私も初めて見ました! たまにこのように泳いでいることは知っていましたが、この春にカバ担当になったばかりなので…」
-ようやく見た!撮れた!!と。
「はい! SNS担当もするようになり、狙って撮りに行くと止めてしまったりで、なかなか…。カバが泳ぐダイナミックさが伝わったと思います。普段は人が歩くのと同じぐらいと思いますが、この動画の泳ぎは水泳選手と競争しても勝てるのでは?」
-広いスペースがあって幸せですね、とのコメントも。
「当園のカバ池は日本一の広さが自慢で、40m✕20m、深いところは2mくらい。もっと広ければさらにスピードが出たはずです。時速40㎞以上で走れるカバの運動能力や、実は噛む力は1トンを超え、アフリカでは恐れられている危険な動物だと分かる動画になりました」
-かっこいい泳ぎを見せてくれたカバですが、普段は?
「8歳のオス、出目太(デメタ)で、いつもは池の中やヌタ場でゆったり。当園のカバは計3頭おり、食事の順番待ちの時は『ボクのエサはまだ??』と訴えるかのように鳴いてアピールします。まだまだ育ち盛りなのか何にでも全部食いつきます。好奇心旺盛で、ちょっとビビリな面もあります」
-こんな姿が見られる時間帯、スイッチが入るきっかけは?
「食事時間の前や、夜行性の動物なので夕方や、雨の日は活発になります。隣にいるメスへのアピールもあるかと思います」
-カバ池の見どころを。
「キャベツなどの売りエサをあげることができるので、口の中や豪快な食べ方を観察できます。夏はスイカを丸ごと与えるイベントが人気で、今年の冬はカバのお風呂というか、『打たせ湯』のようなものを計画中です」