カバはアフリカ大陸の草原の川や沼などの水辺に生息。草食性で、体重はオスなら4000kgにも。今回の出目太の泳ぎはメスのモモを意識しているかも、とのことでしたが、実は出目太は、神戸市立王子動物園から来園し、既にオスカバ1頭をもうけたパパカバ。この子は中国へ渡りました。日本国内のカバ飼育数は2019年末現在で46頭(オス20、メス26)。毎月繁殖のチャンスが訪れる=「繁殖しやすい」ため、生まれた子カバの行き先の目処がなければ繁殖はできないのだそう。
例えば王子動物園から鹿児島市平川動物公園にお嫁入りした出目太の姉・ナナミは繁殖はお預け。「2部屋しかないので…子どもがメスなら母親と同室で良いのですが、産み分けできませんしね…」(飼育展示課長の桜井さん)。出目太の弟の出目吉は愛知県の豊橋のんほいパークに、出目丸は中国へ行きました。さらに出目太たちの両親も高齢とはいえ夫婦仲は良く、まだまだ繁殖の可能性があるそうです。おめでたいことで、カバ親子の遊ぶ姿や、水中での授乳シーンなども人気があるのですが、なかなか難しい「大人の事情」があるのです。
そうそう、「カバフライ」だの何だのとさんざん言っておきながら今さらですが、実はカバ、泳いでいるというよりは、水中をジャンプしながら進んでいて、犬かきのように脚を動かしているわけではありません。小学校の水泳の授業だったら「泳げてない認定」されそうなので、その点、動画撮影の春岡さんに再確認。
「池の底を蹴って水面を進んでいます。泳いでいるように見えないのですが、水中を進むことができているので『泳げる』でいいと思います!」とのことでした。