新たなる伝説始動「銀河英雄伝説列伝1」がSNSで話題…公式トリビュート集に豪華執筆陣が集結!!

山本 明 山本 明

 永遠の名作「銀河英雄伝説」の公式トリビュート集「銀河英雄伝説列伝1 晴れあがる銀河」(田中芳樹監修)が東京創元社(東京・新宿区)から10月30日より発売されました。本書は予約時から重版決定、発売後は1週間で3刷決定と話題を呼んでいます。SNSでも「最高かよ」「(本書を読むために)有給休暇を取得した」などの声の他、早くも「列伝2」を期待する声も上げられ、熱量の高さを感じさせるコメントが続々投稿されています。

 「銀河英雄伝説」は遥か未来の宇宙空間でくり広げられる壮大なスペース・オペラ。常勝の天才ラインハルトと不敗の魔術師ヤン・ウェンリーの対峙を中心に、国家の興亡と英雄たちの盛衰が描かれる本作は1982年の正伝第1巻刊行から現在に至るまで、実に累計販売数1500万部を記録。完結後33年の時を経て「列伝1」ではどんな物語が語られるのでしょうか。以下、各話タイトルをご紹介します。

   ◇   ◇

▽「竜神滝(ドラッハ・ヴァッサーフェル)の皇帝陛下」 作者/小川一水
新婚旅行に訪れた地でラインハルトは魚釣りをすることになり…。「皇帝マス」の出自の秘密とは。

▽「士官学校生の恋」 作者/石持浅海
菓子作りの逸話を通し、キャゼルヌの恋人オルタンスの鋭い人間洞察力が光る。

▽「ティエリー・ボナール最後の戦い」 作者/小前亮
自由惑星同盟の一基地に謎の奇襲が。経緯を探る二人の少将のもとに新たな報が届く。

▽「星たちの舞台」 作者/高島雄哉
士官学校卒業間近のヤンは自分と同じ姓を持つ1600年前の物理学者を舞台で演じることになるが。

▽「レナーテは語る」 作者/太田忠司
情報処理課時代のオーベルシュタインの名探偵ぶりを楽しめる一篇。犬も登場!

▽「晴れあがる銀河」 作者/藤井太洋
本書のタイトルロール。帝国暦3年、皇帝の勅令により惑星オーディンを中心に据えた「帝国基準の」銀河航路図が作成されることになり…。

   ◇   ◇

…あらすじだけでもわくわくしますね!本書の企画に込めた思いなどを担当編集者に聞きました。

――そうそうたる執筆陣です。原稿発注時の印象的なエピソードなどはありますか?

 あとがきで小前亮先生が「年表の隙間を縫い、既存のキャラクターの動きを確認し、矛盾のないよう組み上げる作業は、歴史小説を書く際とほぼ同じでした」と仰っていて、思わず膝を打ちました。事実という点と点を結び、そこに物語を見いだすというのは、研究者の視点に近いものがあるのかもしれません。それは執筆者の皆様が『銀河英雄伝説』という「史実」に敬意を払って執筆されていることが、端々から感じられたことと無関係ではないと思います。

 また石持浅海先生からは、著者校正のゲラがExcelの年表付で戻ってきました(笑)。

――各々の力作に、SNSで反響がありました。

 皆様の感想からあふれ出る「銀英愛」に、改めてこの物語の凄さを感じております。自分自身にとっても貴重な読書体験の一つである作品に、これだけ多くの人が強い思いを以て読み、語っているところを目にするという機会は、なかなかないことだと思います。

 正伝、外伝はもちろん何度も読み返していますし、『銀河英雄伝説事典』を手元に置きながら編集作業を進めたのですが、読者の方から誤りのご指摘をいくつかいただいて…本当に深く読み込んでくださっていると、頭が下がります。ご指摘は著者に確認の上、重版に反映しております。

――本当に特別な作品なんですね。

 『銀河英雄伝説』を初めて読んだとき、完全に架空の、遠未来の歴史をただ一人の作家が創り上げたということに、驚きました。通常、歴史というのは複数の国家、大勢の人間が関わり長い時間を掛けて築かれる筈です。が、田中芳樹先生はわずか五年でこれほど大きな運命の変遷を描ききった。小説がどれだけ大きな可能性を秘めた表現形式であるかを最初に教えてくれた、自分にとって『銀河鉄道の夜』のジョバンニが持つ、どこまででも行ける切符のような存在です。

――望めばいつでも銀河の彼方にアクセスできる、と。

 同じ思いで『銀河英雄伝説』を愛する人に、物語の終わりのその先に行ける切符のような存在として本書を楽しんでいただきたいです。またトリビュートを読むことで、改めて正伝・外伝を読み直したくなった、という感想をSNSで拝見しました。これから手に取られる方々にも、そのように楽しんでいただければ幸いです。

◆『銀河英雄伝説列伝1 晴れあがる銀河(田中芳樹監修)』(東京創元社) 定価:900円(税抜)

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