生き残る書店・京都「恵文社」から、挑戦するあなたへ…「ライフハック本」3冊

山本 明 山本 明
『考える練習』保坂和志(大和書房)
『考える練習』保坂和志(大和書房)

 もうすぐ4月です。新たに社会人となったり、新しい学生生活を始めたり、という人も多いでしょう。“何が待っているだろう!”とワクワクする半面“うまくやって行けるだろうか…”という不安を心に抱いてはいませんか。慣れない新生活で自分の感情や生活のペースが狂うことは、誰にでもあることです。新しい環境でも心身のコントロールを保ち、良きパフォーマンスを発揮するための助けとなる「ライフハック本」を恵文社一乗寺店の書店マネージャー、鎌田裕樹さんに3冊選んでもらいました。

 恵文社一乗店は出町柳駅から叡山鉄道に乗り換えて3駅の無人駅「一乗寺」から徒歩5分ほどのところにあります。京都駅からは何度か乗り換えねばならず、決してアクセス良好とは言えない立地です。しかしまもなく創業45周年を迎える本店は「自分たち自身の目で選んだ本」を置くという姿勢を貫き、本好きの信頼を得てきました。長く出版不況が囁かれ、町の本屋さんが消えゆく中で、今なお独立系書店の旗艦店として業界をけん引し続ける本店が選ぶ本の中にはきっと、新しい環境で上手くやっていくためのヒントが見つかるはずです。

  ◇  ◇

 -新しい環境で自分がやるべきことに、少し迷いがでた時に

 『beの肩書き』兼松佳宏(グリーンズ出版)1080円

 著者の肩書きは「勉強家」。自分の望む働きかたを肩書きにして名乗ってしまおうというやわらかな提案と実践のためのワークブックです。例えば私は本屋ですが、もはや本を売ることだけが仕事ではありません。イベントを企画したり、珈琲を淹れたり、文章を書いたり、本を出版したり。どの業界でも枠にはまらない働き方が求められる時代に、まずは肩書きから行動してみましょう。自らの内面に蓄えたものを整理し、他者との違いを意識しながら、自分がどうなりたいのかを気づかせる一冊です。

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