「老人ホームに入所した人の家の壁の中から子猫の声がする。なんとかしてほしい」と便利屋の石井さんは依頼を受けた。真夏の暑い日だったが、子猫は持ちこたえていた。石井さんは毛が抜け落ち、ひどい顔をした子猫のことを心配したが、子猫はどこ吹く風。やんちゃっぷりを発揮した。
壁の隙間に落ちた子猫、レスキューされる
2017年7月、東京都に住む石井さんの夫は、便利屋をしている。お客さんから「老人ホームに入所した人の家の玄関の壁から子猫の鳴き声がする。なんとかしてほしい」という連絡が入った。
やんちゃな子猫が屋根裏から落ちて、壁のすき間で2日間ほど鳴いていた。石井さんの夫は家主の許可を得て、玄関の壁に穴を開け、土間から子猫を助け出した。
女の子の子猫は、顔がボロボロになっていて、かなり痩せ細っていたという。
「真夏の熱い時期だったので、1日遅かったら亡くなっていたかもしれません。本当に良かったです」
「フジコ」の方が似合っているよ!
「子猫を助けたが、弱っている」と石井さんに連絡があり、石井さんは夫が連れ帰った子猫を動物病院に連れて行った。毛が抜け落ちて皮膚があらわになった酷い顔をしていて、元気だったが衰弱していた。
「いまは毛が生えそろいましたが、うちに来た時は覆面レスラーのような顔をしていました。ひたすら回復を願いました」
石井さんは2匹の猫を飼っていたが、子猫を飼うことにした。名前はフジコちゃんにした。石井さんの妻は、「ミウ」という名前にしたくて初めはそう呼んでいたが、あまりのじゃじゃ馬なので、夫と友人がルパン3世の「フジコ」の方が似合っているよ!と多数決で決めた。
大人になってもやんちゃ姫
先住猫のサリコちゃんは、別室から何やら物音がして、猫の気配がするのに気づいていたが、落ち着いていた。小麦ちゃんは、フジコちゃんを見て喜んでいたが、あまりにも勢いがいいので驚いていた。
フジコちゃんは、チャレンジ精神旺盛で自由闊達に振舞い、飛び回っていた。レスキューされるまで水も食べ物もない期間があったので、初めはごはんや水を見ると突っ込んできて、いつも顔にごはんをつけていた。
3歳になったが、助走なしで1.8m以上跳ぶことができるし、2cm幅があれば、どんなところでも乗っかれる。