大阪・新世界がレトロゲームの聖地に ぷよぷよ、テトリス…懐かしすぎる“国宝級”の逸品が続々集結!

杉田 康人 杉田 康人

大阪の繁華街・新世界周辺にレトロゲームが集結している。昭和から平成初期にかけ、ゲームセンターや駄菓子屋の店先で男子をアツくさせた国宝級のアーケード(業務用)ゲーム機が、通天閣周辺の店舗で稼働中だ。〝レトロゲーセン〟2店に行ってきました!

通天閣そばの商店街・ジャンジャン横丁(南陽通商店街)にある「かすが娯楽場」。家業の中華料理屋と食堂がゲームコーナーになり、もう50年になるという老舗だ。「ペンゴ」や「テトリス」「ぷよぷよ」や、任天堂がまだアーケード事業から撤退する前の「マリオブラザーズ」(スーパーマリオも稼働)など、約150台がまだまだ現役。80~90年代のゲーセンの雰囲気を醸し出す。

同商店街の振興組合会長も務める社長の小林晋さん(65)は、スペースインベーダーの大ブームをリアルタイムで知る世代。自身もゲーム好きで「個人的には、リブルラブルが好きやねぇ…。音楽も良かった」と、80年代のナムコの作品を引き合いに出した。08年のリーマンショック前までは、同店も最新のゲームを導入していたという。

アミューズメント業界を取り巻く状況の変化や、ゲームアプリの全盛もあって徐々にレトロゲーム中心に。店の倉庫に眠る古いものや、ネットオークションでお宝の基板を購入しているという。故障しても直してくれるメーカーが、もう存在していない場合がほとんど。店で丁寧にリペアしながら、稼働させている。

アプリでゲームの存在を知り、ゲーセンにたどりつく逆転現象も起きているという。小林さんは「(客層は)6割が若いカップルで、4割が50代以上のお客さん。ゲームに思い入れがあって、北海道や東京から訪れるお客さんもいる。親が子どもの手を引いて遊びに来たり。古いゲームは、単純だからこそ奥深い。店は今後もあまり変わらないと思う」と、古き良きゲーセンを守り抜いていく。

通天閣周辺に、3店舗目となるゲームセンターの開店を控える「レトロゲーセンザリガニ」。本店には、車状の筐体が動く「アウトラン」や「スペースハリアー」、「アフターバーナー」などの体感ゲームなど、レアなゲームが140台以上稼働する。店先には、閉園した大阪府のみさき公園からやってきた「志村けんのだいじょうぶだぁ ルーレットマン」があった。

2016年12月にオープン。同店のスタッフは「オーナーの父親が、ゲーム筐体を自分で購入するほどのゲーム好きだった」と話す。早世した父親の思いに応えるため、空店舗にゲームを置いたことがきっかけだという。「ゲームそれぞれに好きな人がいる。集めたりするものもあれば、譲ってもらったり。(店は)だんだん進化している。古いゲームで遊んでもらいたい一心」と、まるで博物館だ。

駄菓子屋の50円ゲームに群がっていた30~40年前。子どもにとって、100円は高かった。いい大人になった今。お金に悩まず、あの頃やりたかったゲームが好きなだけ楽しめるはず…だったが、反射神経の衰えからかすぐにゲームオーバー。100円玉がみるみる減っていく。「かすが娯楽場」の常連には、無限にテトリスを続けられる70代の男性がいるという。

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