「オクラをどうしても金属化したい!という方必見!!キャステムのロストワックス精密鋳造技術を使って最高のオクラメタルを製作いたします!!」。キャステム京都LiQ【公式】(@castem_liq)が7日に投稿したオクラメタルの告知が「ちょっと何を言っているか分からない」と話題になっている。なぜオクラを金属化しなければならないのか、なぜ商品として世に出そうと思ったのか、オクラメタルに需要はあるのか。
SNS上では、
「オクラをどうしても金属化したい人←もう既にわからない」
「ちょうどオクラを金属化したいと思ってたので助かります!」
「ピーマンは!ピーマンは可能ですか!?」
と、ノリのいいコメントが見受けられたが…。
オクラメタル商品化に至るまでのいきさつについて、株式会社キャステム(本社・広島県福山市)新規事業本部、京都LiQ事業課長の石井裕二さんに話を聞いた。
−−オクラを金属化したきっかけを教えてください。
「……どうしても思い出せません(笑)。本社の関係者に問い合わせましたが、なぜこれを作ろうと思ったのか誰も記憶にないのです。オクラの魅力に吸い寄せられるように、ただ目の前にあったから鋳造したとしか思えないのです」
(ホンマかいな)
−−オクラメタルのツイート後、反響はありましたか?
「殺到はしていませんが予想をはるかに超える注文が入っています。オクラメタルの今までの売れ行きからすると殺到と表現しても嘘にはならないですかね…(笑)」
−−金属化したオクラはいくらで購入できますか?
「税込みで5500円です」
(…高い)
−−オクラ以外にも色々な野菜を金属化していますが、実際「枝豆をステンレス化していただきたい」という注文が入ったとか。どんな用途で購入されたのでしょうか?
「数年前ですが確かカフェでスプーン置きに使いたいという注文だったと思います。『どうにも枝豆が可愛いのだ!』とのご依頼で当時はうろたえたと記憶しておりますが、結局そのまま商品化させていただきました」
実はキャステムという会社、“ぶっ飛んだ”商品の開発を行っているが、その技術力は本物。ロストワックス精密鋳造・メタルインジェクション(MIM)の技術を用いて、電車・工作機械・医療機器等あらゆる産業の精密部品の製造販売を主軸としている。その技術を活かし、2017年より個人を対象とした商品の企画・製造・販売を開始。有名スポーツ選手、アイドルの手型の金属オブジェやモンスターボール虫カゴ等、これまでにないアニメ・漫画・スポーツ関連グッズを次々と生み出し、注目されているのだ。
2019年4月1日には日本最速の新元号グッズの発売に挑戦。新元号発表から2分27秒後に令和ぐい呑みを発売し、様々なメディアに取り上げられていた。その他、紙ヒコーキ、コマ大戦、CTスキャンスタジオ(京都西院)、パニパニファーム(宮古島)など、常に金属・常識にとらわれないモノづくりに挑戦している。
−−指先の戦艦大和も話題になりました。こちらについても制作のきっかけ、反響などを教えてください。
「ナノ3Dプリンタは京都先端科学大学との共同研究なのですが、まずこの技術を世の中に広められないか、おもしろく伝えられないかということで、大きな戦艦大和を小さく作ったらわかりやすいかなと思い製作しました。取材や問い合わせをたくさんいただき、また直後に出展した関西機械要素技術展ではコロナ禍で来場者も制限される中、弊社のブースが黒山の人だかりで会場がバズるという現象を体験しました(笑)」
−−ものづくりスペース「京都LiQビル」には普段どのような注文が舞い込んでいるのでしょうか?
「ここ最近はCTスキャンや光学式スキャンとフルカラー3Dプリンターを組み合わせたお仕事のご依頼やシミュレーション用に1枚の絵や写真から3DCGデータを作り上げるといったお仕事を博物館や大学、また工業、商業、医療、建築ジャンル問わずあらゆる企業さまから幅広く請けております」
■オクラメタル販売ページ https://www.ironfactory-castem.com/SHOP/RO10010.html