遊んだおもちゃを片付けない、食べるのが遅い、明日の準備をしない…。子どもにとっても苦手意識があるからこそなのかもしれませんが、なかなか動いてくれないわが子を見ると、どうしてもイライラしてしまいますよね。日常生活の中での子どもの「苦手」「やりたがらない」ことを、本人のためにもなるべくスムーズにさせてあげたい。そんな思いから、いろいろな対策をしているママたちの工夫を聞きました。
「なかなか片付けない」を克服!
遊んだおもちゃで足の踏み場もない。で、結局ママが片づける。このまま片づけられない子になったらどうしよう…なんて不安も。ママが編み出した(?)片づけ対策を聞いてみました。
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▽音楽が鳴っている間に片づけよう!
3歳の娘はおままごとが大好きなのですが、遊んだらそのまま放置。切った野菜のおもちゃとかを踏むと痛いんですよね…そして、まだ下の子(0歳)が口に入れてしまうことも。私が片づけてしまっていたのですが、「これじゃいかん」と。
娘の好きな曲をかけ「お歌の間に片づけられるかな?」と提案、最初は私も一緒に競争のように片づけていましたが、そのうち曲を流すと全部自分で片づけるようになりました。しかもノリノリで(笑)いつか曲なしで片づけてくれるようになってほしいですが…。〔Sさん、子ども3歳、0歳〕
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▽強引だけど、捨てるふり!
あまりに片づけないので、「片づけていないものは捨てるよ!」と言っていました。でも、息子は「ママはそんなことしない」と高をくくり、やっぱり片づけない。
ある時、「もう本当に捨てます」と、散らかりまくったおもちゃを段ボールに詰め、物置へ(本当には捨てないけど)。息子は「片づけるから!片づけるからぁ~!」と泣き叫んでいましたが、とりあえず「これから片づけることができたら、今のおもちゃは復活するよ。でも、また片づけできなくなったら本当になくなっちゃうよ」と伝えました。
「ヤバい、ママは本気だ」と思ったのか、その日からせっせと片づけるようになりました。片づけたらメチャメチャ褒めるようにしています。〔Yさん、子ども6歳〕
「食べるのが遅い」「なかなか食べない」を克服!
ご飯をなかなか食べようとしない、スプーンを持った手が止まっている。「せっかく作ったのに、もっと美味しそうにパクパク食べてよ!」と、ついイライラしてしまうこともありますよね。子どもの食が進む工夫をしているママたちにお話を聞いてみました。
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▽「ながら」をやめてみる
食事のときはテレビをつけっぱなしだった我が家。長男はそれでもバクバク食べていたのですが、下の子がテレビを見入ってしまい、ぜんぜん食が進まない…。あげくのはてに私がスプーンで口に持っていく始末。「ながら」行動はどうしても動きが緩慢になったりストップしがちなので、思い切って食事のときはテレビを消すことにしました。長男はブーブー文句を言うので、とりあえず「見たい番組は録画してご飯の後。好きな音楽は聞いてよし」ということにしました。食事のBGMはもっぱら仮面ライダーですが、下の子もご飯が進むようになりました。ときどき歌っちゃったりはしますが…。〔Tさん、子ども6歳、3歳〕
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▽少なめに、小出しに
ドーンとしたおかずや丼ものだと、食べるのがものすごく遅い娘。どうやら保育園ではちゃんと食べられているようなのに、家では遅いんです。というかなかなか食べようとしない…。
少しでも食べるスピードをアップするため、おかずは小さめに少なめに、ご飯も一口おにぎりに。丼ものの時はかなり小ぶりなお茶碗にして、娘の好きなおかずを添える(その時のおかずは冷凍食品が多いですが…)など、ちょっとだけ出し方を工夫しています。
正直少し面倒くさいですが、年齢とともに食べられる量も増え、それに伴ってスピードも速くなると期待しながら、今はこの方法であげています。〔Kさん、子ども4歳〕
「すべきことをぜんぜんやらない」を克服!
「早く!」「ちゃんとやりなさい」こう言われると、反発したりやる気が失せるのが子どもの特徴です。すべきことは自分でしてくれるのが理想ですが…ママたちは、どんな工夫や対策をしているのでしょうか。
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▽視覚的な工夫
5歳の息子。朝はトイレも促さないと行かない、着替えもしない、なかなかテーブルにつかない…とにかく自分から動こうとしません。来年はいよいよ年長、そろそろ言われなくても、自分の身支度くらいはできるようになってほしいと思い、ある本をヒントに、行動を「見える化」してみました。
壁に模造紙を貼り、そこにトイレや食事、着替えのイラストを貼り、各イラストの下にシールを貼る欄を作ります。できたら貼っていく、シールが溜まったらちょっとしたご褒美がある。今はご褒美で釣ってしまっていますが、自分からやるようになったので、もうちょっとこの方法で行こうと思っています。〔Hさん、子ども5歳〕
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▽やらなかったことは「自分に返ってくる」を実感させる
「早く起きなさい」「宿題したの?」「提出物あるよね?」口を酸っぱくして言っても、なかなか起きなくて遅刻寸前、忘れ物をする小5の息子。
「うるさく言っても本人に響いていない」と思い、あえて私は何も言わず、本人自ら「すべきことをしないと痛い目に遭う」を実感してもらうことにしました。「なんで起こしてくれなかったの?」「今日はコレが必要だったのに!」とブリブリ言っていましたが、本人も「これはそろそろ自分でやらないとマズいのかも」と思ったようです。最近は自ら翌日の持ち物を確認したり(当たり前のことなんですけどね…)、自分で目覚ましをかけて起きられる日も増えてきましたね。見守りつつ、ちょっと突き放すのもいい作戦かもしれません。〔Fさん、子ども11歳、8歳〕
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園や学校では頑張っている子どもたち、家はホッと一息つける場所だけに、「やりたくないことや苦手なことはやらない」となってしまうのかもしれません。そんな子どもには、「とにかくやらせる!」と無理強いするより、この記事で紹介したママたちの方法のように、少し手法を変えてアプローチしたほうが成功するようです。
子どもはいつもと違う作戦で来られると、「そう来るなら、やってみようかな…」もしくは「ママは本気だ。ここはやらないとマズい」という気持ちになることもあるようです。子どもに合った、いいアプローチ方法が見つけられるといいですね。そして、できたらたくさん褒めてあげることも忘れないようにしたいものです。