「おやさい妖精」のイラストがSNSで話題です。可愛い妖精は、野菜のおいしさをアップしてくれる存在。たとえばパセリは、尻尾がパセリで見た目はリスのような「パセリス」。お皿の飾りだと思ってパセリを残そうとすると、シュバッとあらわれて「栄養もあるし美容にもいいから食べて♡」という思いで「ン~!ンン~ッ!」とパセリを両手に持って全力アピールしてきます。そんなパセリスを見たら、思わず「ちゃんと食べますよ」って言っちゃいますよね。
大根には、コンコンと鳴く美形「ダイコン」がいます。ずっしり重いけれどとっても人懐っこくて、お顔はすごく伸びるのでムニムニできます。食べちゃうの?という心配はご無用。妖精たちは、調理するときにはスーッと消えてしまいます。でも!妖精がいたお野菜はとってもおいしくなっているんですって。「今日もダイコンが来てくれたよ」って子どもに声かけしたら、いつもよりおいしく感じるかもしれませんね。
「おやさい妖精さん」のイラストを描いているのは、イラストレーターのぽん吉(@PonkichiM)さん。毎週日曜日にツイートされる新しい妖精さんを楽しみにしている人も多く、フォロワー数は8.7万になっています(10月3日現在)。
ツイートには「うちのお子達もたくさんの野菜を好きになりますように」「何この可愛さヾ(*’O’*)/」「ぬいぐるみ化して頂きたい可愛さです」「子供にも読ませていただいてます」などのほか、キャラクターそれぞれのお気に入りポイントを伝えるみなさん。子どもだけでなく大人も虜になっています。ぽん吉さんに聞きました。
──「おやさい妖精さん」を描こうと思われたのはなぜ?
野菜に悪いイメージが発生しにくいキャラを好きになってもらえれば、その野菜を進んで食べてくれるんじゃないかという思いで描き始めました。そのため「おやさい妖精さん」は、子どもが楽しめて好きになってくれるような可愛いデザインにしています。
実際に「おやさい妖精さん」のファンの方が、野菜が苦手なお子さんがナスの「おニャス」や大根の「ダイコン」のキャラが好きで、スーパーで野菜を見つけるたびにキャラの名前を言ってくださっているとか、進んで食べたいと言うようになり、野菜を食べる際には手を合わせるようになったと聞いてとてもうれしかったですね。
──イメージで食べられない子やがんばったら食べられる子、食わず嫌いの子には、特に効果がありそうです。
「おやさい妖精さん」は、子どもがわかりやすく楽しく読めることを最優先でデザインしています。野菜の知識も楽しく学べるように描いていますので、野菜が苦手なお子さんにぜひ読んでいただいて、たくさんの野菜を食べて食事の際の話題にしてもらえたら。
──ぽん吉さんも、野菜が嫌いだったのですか?
私自身、子どもの頃は嫌いな野菜が多く、悪いイメージが定着してしまって大人になってもなかなか好きになれない野菜がありました。でも、調理方法を変えたり、悪いイメージをなくすように努力したりして克服できました。
──経験がもとになっているんですね。妖精の形は何から連想しているのでしょう?
野菜の形と、野菜名と動物名のダジャレの組み合わせでデザインしています。現在50種類のキャラがいますが、今後は100体を目指して、思い浮かぶ限り描いていきたいですね。
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食べたことのない野菜を知るきっかけにもなりそうな「おやさい妖精さん」は11月に書籍化が決まっています。