お坊さんが明かす“極秘情報”!長時間正座をしても「ちゃんと立てる」裏技とは?実は見えない苦労も…

広畑 千春 広畑 千春

 もうすぐお彼岸。コロナ禍で法事も縮小されたり、リモートにしたりするところもあるかもしれませんが、やはり法事といえば長時間の正座がつきもの。いつ収まるとも知れぬしびれに悶絶し、立てない、最悪コケて場の雰囲気を台無しにしてしまう…と悩める子羊たちに、あるお坊さんが「極秘情報」を明かしました。

 【極秘情報】

 よく「お坊さんって足痺れないの!?」と聞かれます。

 慣れたらたいてい誰でも30分は大丈夫になるのですが、それ以降はセンスと体重によりけりです。

 では何故立てるのか?

 →立つタイミングが分かってるから、そこに向けて調整しているんです!

 実は控え室でヒーヒー言ってるのです

 そうツイートしたのは、北海道むかわ町にある法城寺住職の舛田那由他さん。でも、慣れたら30分は?センスと体重?調整??と、素人には意味不明です。

―「慣れたら」とありますが、やはりお坊さんは最初に正座も修行するのですか?

「そうですね。他の宗派は分からないので『全て浄土真宗本願寺派のこと』という前置きをしますが、『得度(とくど)』と呼ばれる僧侶資格を取る時に10日間研修(浄土真宗では基本的に修行は無い)を受けるのですが、その時は正座三昧なので、終わった後も半年くらい軽くしびれが続いていました」

―終わった後も半年ぐらい…ですか…。立つ際の「調整」とは?

「多少しびれていても、とにかく足首を曲げることができて立ってしまえば大丈夫なのですが、もし足首が曲がらないぐらいしびれていたら立てずにコケてしまうのです。だから、お経がもうすぐ終わるときに、足首が曲がるか動かし、曲がらなかったら足首に血を巡らすイメージでグラグラするなどして曲がる状態まで持っていくのです。足首が曲がらないまま立つとつま先立ちになってしまい、最悪足首の骨折をした方もいるというのを聞いたことがあります」

―骨折!!もう、労災ですね…。大変失礼なのですが、やらかしてしまった「黒歴史」も?

「これは坊さんあるあるかもしれませんが、正座のしんどさと体重の増減は比例しますので、体重計に乗らなくても、太ったか痩せたかは正座をすれば分かります。失敗談は…若い頃に調整をミスってしまい、お通夜の席で立てなくなり『もう少し手を合わさせてください』と言って調整してから立つということがありました。悲しみの深いお通夜でしたので『立てません』というよりはマシな対応だったかと考えています」

―それは…考えるだけで背筋が凍ります…。何時間でも平気なスペシャリストもいらっしゃるんですか?

「正座のプロというか、作法のスペシャリストは1時間以上の法要でも全くしびれない方が多くおられると聞いたことがありますね」

 とのことでした。長時間の読経の後でも、すごく涼しい顔で立ち上がり帰って行かれる裏には、こんな涙ぐましい長年の積み重ねがあったとは…。実は「控室に帰ってヒーヒー言っている」なんて、雲の上の人が一気に身近になった気がします。

 ちなみに、舛田さんがこのアカウントを始めたのは2018年8月。趣味や家族のほのぼのとした投稿も多く、「常々敷居が高いと言われる『お寺』や『僧侶』を身近に感じていただきたかった」といいます。ところが、それから間もない9月6日に、42人が亡くなった北海道胆振東部地震が発生。お寺も鐘楼堂や墓石が倒壊するなど大きな被害を受けましたが、直後からツイッターなどで支援を呼びかけ、子どもたちの心のケアなどを始めました。今は寺の再建や犠牲者の追悼とともに、過疎化・高齢化が進む地域で、復興にとどまらず、むかわ町の豊かな農産物を生かしたイベントの企画などに取り組み、発信し続けています。

 今月6日で地震から2年が過ぎました。フォロワーには76歳の総代長を始め大勢の檀家さんが名を連ねているといい「多くの人に支えられた2年だと思うとともに、今も様々な災害が各地で起きていると思うと胸がふさがる思いですが…。これからも、他宗派の僧侶や異業種の方々と繋がり、お寺や地元の活性化に還元していきたいですね」と話してくれました。

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