ペンギン、文鳥、ハムスター…水彩画でモフモフが出来上がる動画に感動の声…優しいお顔に癒やされる

太田 浩子 太田 浩子

 目とくちばし、2本の線、点々が描かれた白い紙が置かれています。そこに水をたっぷり含ませた筆で、スルスルとグレーの色をのせたら…あっという間に、かわいい赤ちゃんペンギンさんができあがり!という動画が話題になりました。

 紙に筆をのせると絵の具がにじんで、まさにペンギンの赤ちゃんのふわふわの綿羽が表現されています。「最後のおててかわいすぎます…!」「もふもふ(*´∇`*)」「うっわ〜 もっふもふの表現、すごいです〜 何回見ても感動します」と日本だけでなく海外からもたくさんコメントが入り、112.8万回再生されて11.7万いいねがついています。

 この動画をツイートしたのは、すずきあやえ*水彩作家(@_cocotto)さん。目や一部の輪郭は色鉛筆やボールペンで描き、透明水彩絵の具で塗っているそうです。ペンギンのほかにも、オオカミや猫、フラミンゴ、白文鳥、セキセイインコなどを描く動画も。特に白文鳥は、背景の方に色を付けていくと、モフッとやわらかそうな白い文鳥が浮かび上がってちょっぴり不思議。普段は星空や風景を透明水彩で描いて、国内外の展示やイベントに出展されているすずきさんに聞きました。

──輪郭なしでパーツを描くのは難しそうですが、ピッタリのバランスですね。

 ポーズや筆運びを頭で考えながら描いていますが、悩んだ時には別紙にラフを描いています。

──絵の具に対して水の量は決まっているのですか?

 絵の具を薄める分量は決まっていないので、別紙に描いてみながら自分の思うようなにじみ方・色の濃さになるように調節しています。

──なぜこのような動画を紹介するようになったのでしょう?

 和紙に水彩で描いた時に、どんどん色が滲む様子が楽しかったので、その特徴を活かして絵を描いたら面白そうと思ったからです。
 普段はイベントや展示に参加しているのですが、コロナ禍で作家活動にも制限があることや、おうちで過ごす時間が増えている状況から、自宅からの発信で絵を楽しんでもらえたらと思い、動画を投稿しました。

──どんな仕上がりになるのかな?とワクワクしました。なぜ水彩画を描くようになったのですか?

「透明水彩と小学校の頃使った絵の具は何が違うんだろう」と疑問に思い、大学生の頃に絵の具セットを買ってみたことがきっかけです。

──小学校の頃に使っていた絵の具とは、違う絵の具を使っているんですね。

 ざっくり言うと、絵の具は「色の材料」と「糊の材料」を混ぜて作られているのですが、透明水彩と不透明水彩(小学校でも使うもの:ガッシュとも呼ばれます)ではその配合比率が変わります。

 透明水彩は、紙や下に描かれた色が透けて見えます。その名の通り透明感を活かします。一方、不透明水彩は透けずに色で覆うイメージ。明るい色を表現したい場合は、白を混ぜます。

──知りませんでした! 透明水彩画の魅力とは?

 優しいタッチで描きやすいところと、混ぜれば色が無限に作れるところだと思っています。

──動物シリーズがどれも話題になっていますね。

 メディアで取り上げてもらったりSNSで拡散していただいたりと、自分の予想を遥かに超えるたくさんの方に見ていただいたことに、感謝と同時にびっくりしています。少しでも水彩画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

 また、透明水彩以外にもいろいろな画材が好きなので、今後もおもしろい画材の組み合わせや使い方を探しながら絵を描き続けたいと思っています。おもしろい画材があったらぜひ教えていただきたいです。

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