「暑い日は、これに限るわ~」腹ばいで水浴びするリスさん…夏の定番なの?飼育担当者に聞いた

太田 浩子 太田 浩子

 対策なしで外にいるのは危険なレベルの高い気温が続いています。人間だけでなく、動物園の多くの動物たちも暑さにぐったり。そんななか、ニホンリスが新鮮な水がそそがれるお皿の上で、手足を伸ばしてお腹をぺったりとつける動画が話題になりました。

 井の頭自然文化園[公式](@InokashiraZoo)がこの動画をツイートしたところ、
「おなか冷やしてる…🥰✨可愛らしいニホンリスさんですねっ!」
「ハハハ~ 可愛くて微笑ましいですけど、この暑さでなっとくです~」
「癒されますね。それに、こっちまで涼しくなります。」
というリプのほか、楽しいアテレコが集まっています。

「見てたの!? キャー❗って感じ」
「『えっ!?ひとり10秒までですか?』って表情」
「あー、水浴び最高だぁー、ん?ん?、なんや、逃げろぉー」
「あ〜かき氷食いたい と言っている」
「は〜〜気持ちええわ〜〜〜 ?はっ!?撮られてる いやーん🐿」

 見ているだけでちょっと涼しくなれちゃうこちらの動画は382.4万回再生されて、4.9万リツイートと15.2万いいねがつきました。撮影されたのは、リス繁殖棟の建物内の水飲み場(給水器)だそう。飼育担当者さんに聞きました。

──リスさんの行水は、順番待ちですか?

 現在は2頭の個体が水に浸かります。そのほかの個体は給水器の横で腹ばいになるくらいです。過去にも、いまはもういない別の個体が水に浸かっていました。浸かっている個体を見て覚えたのか、自分で発見して浸かるようになったのかは分かりません。

──野生のニホンリスも、水に浸かったりするのでしょうか。

 野生のニホンリスが生息している場所はある程度高地のため、猛暑というほどには気温があがらないので…不明としか答えられられないですね。

──今までになく暑すぎて、より涼しい方法を見つけずにはいられなかったのかもしれませんね。水の上に座ったりすることはないのですか?

 休息の姿勢で腹ばいになりながら水に浸かるので、座りながら浸かることはほぼありません。

──以前紹介した記事でも、リスがペチャンコになって道で寝ていましたが、リスの休息ってそういうものなのでしょうか?

 暑い時期は腹から熱を逃がすため、樹上や地面、石の上、風通しの良い金網、あるいはリスの小径の水路の浅い場所で腹ばいになります。金網の上ではまれに腹を上にしている個体や浅い水路で四肢を水につける個体もいます。一方、寒い時期は逆に熱を逃がさないために丸くなります。

 ◇ ◇

 井の頭自然文化園では、ニホンリスにクルミを入れた氷「氷クルミ」も夏は不定期であげています。「ほとんどのリスは氷がとけるまで待っていますが、氷をかじってクルミを取り出す個体や少量ながら氷を食べる個体もいます」とのこと。一生懸命、氷と格闘する姿を見ると応援したくなりますね。

 また、今年は「リスの小径」で15頭くらいと、繁殖棟で10頭のリスの赤ちゃんが誕生しています。野生のニホンリスを捕獲するのではなく、園内でなるべく遺伝的な多様性を保ちながら計画的に繁殖させていくために、繁殖棟があるそうです。リスを放し飼いにしている「リスの小径」で探せば、お母さんに甘えるかわいい子リスを観察できるかもしれません。

 現在は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、来園者との距離をはかるなどの対策をとったうえで、動物がどんなエサを食べるか観察できる『みてみてえさの時間』などのイベントも実施されています(詳細は公式サイトでご確認ください)。

■井の頭自然文化園 https://www.tokyo-zoo.net/zoo/ino/

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