むせるような深い緑の森の中にこんこんと湧き出る泉、透明な水面に映る魚の影…。見つめているだけで、セミの鳴き声まで遠くなりそうな美しい池の写真が、話題を呼んでいます。
「めちゃくちゃ神秘的で綺麗」
「(もののけ姫の)シシガミ様の森ですね」
「これぞ日本の森」
そんな声が相次いだのは、茨城県のフォトグラファー、てらぬー(@teranu_photo)さんが今月11日にツイッターに投稿した、栃木県佐野市の「出流原弁天池」の写真。13日午後4時までに8.6万いいねが付き、「おのれ栃木(群馬県民)…綺麗(洗脳済み)」と、ライバル(?)の群馬県民らしきユーザーからのコメントも寄せられています。
出流原弁天池は、技芸学問の守護神として948年に建立された出流原弁財天の境内にあり、栃木県の指定天然記念物。古生層石灰岩の割れ目から、年間を通じ約16度に保たれた清らかな水がこんこんと湧き出し、その透明度は、泳ぐ鯉のうろこの輝き、水底でゆらめく水草まで見えるほど。湧水は環境庁の名水百選にも選ばれているそうです。
一方、てらぬーさんは、海で見た初日の出の美しさに魅入られて写真を始め、普段は海で朝焼けと夕日など綺麗な空を撮影。光が織りなす美しい風景の数々を投稿しています。今回の写真について聞いてみました。
―吸い込まれそうな、素敵な場所ですね。いつ撮影されたのですか?
「8月11日の午前6時ごろです。朝5時ごろに自宅を出て向かいました」
―工夫された点などを教えて頂けますか?
「機材はNikon D750と富士フィルム X-T3です。水が有名な場所なので、水の透明感を意識しました。また、朝日が木々の間から差し込んでいたので、神秘的になるように工夫しました」
―見ているだけで涼しい気分になりますが、実際も涼しいのですか?
「いえ、それが実際はものすごく暑いです(笑)。でも、透き通る水の中を泳ぐ鯉を見ている時は一番、涼を感じましたね」
(ちなみに、この日の佐野市の午前6時の気温は26.3度。最高気温は午後4時に39.0度まで上昇しました。高熱のレベルです…)
―「シシ神が棲んでいそう」などのリプも相次ぎました。
「ジブリ映画の雰囲気を私の写真から感じていただいて嬉しいです。でも、正直、写真をアップするまで全く考えていませんでした(笑)。今後は、私の地元・茨城の風景を色々な人に見て頂き、好きになってくれたら嬉しいと思っています」
と話してくれました。
毎日うだるような酷暑が続く日本列島。でも、お出かけはできなくても、こうして目から涼を感じて、その世界にトリップできるなんて…ある意味贅沢なことなのかもしれません。