総菜コーナーでポテトサラダを買おうとした幼児連れの女性に、高齢男性が「母親ならポテトサラダぐらい作ったらどうだ」と言った―。その現場を目撃した人のツイートを発端にネット上で巻き起こった“ポテサラ論争”。「高齢男性の一方的な失礼さ」「『母親なら』って」「手作りがどれだけ大変か」など様々な声が上がり、「なぜキレる中高年が増えているのか」という専門家の解説記事までありました。
ただ、ツイッターは文字数の制限がある分、言葉や情報が粗くなり、印象で判断してしまいがち。実際この男性がどんな立場だったのかも分かりませんし、制限がなければ「高齢の男性の方全てではないと思いますが」などの断りもはさめるのに。あえて「高齢男性」と書くのも安易に世代間対立をあおるようで、少しだけ悪意を感じてしまったのは私だけでしょうか。
確かに男性って、ことお総菜に関しては「手間がかかる」事への理解が乏しい傾向を感じます。揚げ物なら「熱いしひと手間かかってる」と思うのでしょうが、常温や冷えているお惣菜は手間がかかっている大変さを感じにくいのかも。我が家でも暑くなると「素麺でええよ」と言われるんですが、作るときはどれだけ熱いか!添える野菜や薬味の準備もいるし、「で、ええよ」って。「冷たい」=「手がかからない」じゃないんだけどなぁ。
ポテトサラダも、芽を取って茹でて、熱々の状態で皮をむき、粉ふきいもにして、具も色々切って用意しないといけない。(最近は「レンチン」で少し楽してます)なのに、うちの旦那さんは私の手作りのをあまり食べないんです。我が家では旦那さんの健康を考え、カロリーハーフのマヨネーズで、ジャガイモ自体の甘みを生かして作るんですが…曰く「コクがない」「甘みが足りない」。ところが行きつけのステーキ店ではポテサラを別で注文するほど私以外のポテサラはお好きらしい。私もそのお店のポテサラを少し頂きましたが私のよりほんのり甘みがある。シェフに伺うと「カロリーハーフは絶対使わない。あと少し砂糖を入れています」。
実際、お店のポテサラって隠し味に少し砂糖を入れている所も多いらしい。私が出演させて頂いているフジテレビ系「ノンストップ!」で料理を披露してくれる「賛否両論」の店主・笠原将弘さんも、色々な料理にうまみのもととして、ちょっとだけ砂糖を加えておられる。例えばキャベツと塩昆布の和え物にも。そうしたらやっぱり美味しいんです。
手作りかどうか、簡単か難しいか、さらには手作りしても店の方が美味しいと思われることもある。本当にたかがポテサラ、されどポテサラ。余ったらコロッケにリメークもできて、私の中ではカレーやおでんと並ぶ最強料理。なのに食卓に出しても「一品」と認められるかどうかは、食べる人次第という切なさ…。知人がコロナ禍で夕食を作るようになり、肉じゃがを作ったそうですが、それがメイン料理になるかならないか―で、夫婦間でひと悶着あったそう。「ブリ大根」ならメインディッシュ感がかなりあるのに「肉じゃが」って微妙ですよね。
総菜コーナーでの高齢男性の発言は、もちろん論外!なのですが、にしても、いろんな事を考えさせられる今回の“ポテサラ論争”でした(笑)