7月からレジ袋の有料化が始まり、エコバッグを使う人が増えています。しかしながら新型コロナウイルスや夏場に多い「食中毒」のことを考えると、エコバッグ使用時の衛生面には特に気をつけてほしいと思います。
「細菌性食中毒」が増える夏場の食中毒
コロナ時代になって、新たにテイクアウトやデリバリーを始めるお店が増えています。厚生労働省では「調理してからお客さまが食べるまでの時間が長く、気温の高い時期は特に食中毒のリスクが高まる」として、お店には注意喚起を促しています。また今の季節は家庭での食事でも食中毒が発生しやすくなっていますので、ご注意ください。
ひと口に食中毒といっても、その原因は細菌、ウイルス、自然毒、化学物質、寄生虫などさまざま。夏場に多く見られるのが「細菌性食中毒」です。ちなみに冬場に多い「ウイルス性食中毒」として知られているのがノロウイルスです。
細菌性食中毒の細菌には「腸管出血性大腸菌」「カンピロバクター」「リステリア」「サルモネラ」「黄色ブドウ球菌」「腸炎ビブリオ」「赤痢菌」「ボツリヌス菌」などがあります。
加熱処理が行われていない食品をはじめ、お弁当だったり、おにぎりだったり、卵だったり、いろいろな食品が原因でなる可能性があります。
エコバッグは細菌が付着する危険性あり
コロナ禍に伴い、海外ではエコバッグの使用を禁止するところもあるそうです。日本ではレジ袋の有料化に伴い、エコバッグが普及しつつありますが、注意したいのはエコバッグによる食中毒です。
農林水産省では次のように注意を呼びかけています。「目につく汚れやニオイがなくても、知らぬ間に肉や魚の汁、野菜の土がエコバッグに付着することがあります。そのままにして使い続けると、食中毒菌が増殖してしまい、新たに購入した食品に菌が付着してしまいます」。
そこで、農林水産省ではエコバッグを清潔に使うための「日頃から気を付けたいポイント」を打ち出しています。
(1)エコバッグは定期的に洗いましょう。
(2)肉、魚、野菜はポリ袋に入れてからエコバッグに入れましょう。※ポリ袋に入れるときは肉や魚の汁、野菜の土がエコバッグや他の食材に付着しないよう注意してください。また使用したポリ袋は再利用せず、適切に捨てましょう。
(3)エコバックに入れる順番に気をつけましょう。肉、魚、冷蔵・冷凍食品などの冷たい物はまとめて入れて、温かいものと、密着しないように。
(4)食品と日用品を入れるエコバッグを区別して使いましょう。
(5)食品を入れたエコバッグの持ち運びは、短時間にしましょう。
食中毒などが起こらないように、エコバッグを上手に使うようにしてくださいね。
症状で多いのは嘔吐や激しい下痢など
食中毒の症状で多いのが発熱や腹痛、嘔吐、激しい下痢、倦怠感などです。呼吸が不安定になり、意識がハッキリしないこともあります。病院を受診し、原因が特定された後は治療方針が決められます。治療方法は点滴(脱水予防)、薬剤療法(抗生物質)などがあります。
家庭での食中毒を防止する6つのポイント
食品購入から食べるまでの間、しっかりと食中毒を防止したいものです。厚生労働省の6つのポイントをまとめてみました。
(1)買い物のとき
消費期限を確認してください。肉や魚などは汁が他の食品に付かないように分けてビニール袋に入れましょう。買い物をしたら早く帰りましょう。
(2)家庭での保存
冷蔵や冷凍の必要な食品は持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に保管。肉、魚、卵などを取り扱うときは、取り扱う前と後には必ず手洗いを。
(3)下準備
調理の前に石けんで手洗い。生肉や魚、卵を触ったらその度、手を洗いましょう。包丁やまな板は肉・魚・野菜用と別々に使い分けるようにしたいもの。使用後のふきんやタオルは熱湯で煮沸後、しっかり乾燥しましょう。使用後の調理器具は洗った後、熱湯をかけて殺菌。台所用殺菌剤の使用も効果的です。
(4)調理
調理の前には石けんで手洗いし、肉や魚などは十分に加熱してください。
(5)食事
食べる前にも石けんで手洗い。作った料理は長時間、室温に放置しないようにしましょう。
(6)残った食品
清潔な容器に保存。温め直すときも十分に加熱。賞味期限切れだったり、あやしかったりしたときは捨てましょう。