ロサンゼルスの「外食の今」 コロナ禍で変化し続ける営業規制…高級店でもサービスはギクシャク

今井 悠乃 今井 悠乃

 日本でも再びコロナ感染者が増えていると聞きます。ここ米カリフォルニア州はそれ以上。それこそ、新規感染者が1日1万人超という日もあったぐらいですから深刻です。レストランなどの営業再開に向けた動きは「3歩進んで2歩下がる」という状況でしたが、ここ数日は「3歩も4歩も下がっている」と言っていいかもしれません。

 巡り合わせも良くなかったかもしれません。ロサンゼルスでは5月末より店内飲食が条件付きで再開。パンデミック以来、家を出るのを怖がっていた人々が、少しずつレストランへ足を運び出していたところでした。そんな矢先に、米ミネソタ州で発生した「白人警官による黒人男性の暴行死事件」を巡り、抗議デモが発生。数週間続きました。

 その間、映画館やジムを含むビジネスが条件付きで再開しましたが、そのことが影響したのか、コロナ感染者が急増し、カリフォルニア州のニューサム知事はロサンゼルス郡を含む7郡のバーなどの営業を再び中止することを発表しました。

ロサンゼルスの「外食の今」

 そのころ、私は比較的安全な西ロサンゼルスにある高級ステーキハウスを訪ねる機会がありました。土曜日の夜ということもあり、ほぼ満席。とはいっても客席の間隔を十分に取り、紙メニューにプラスチックのカバーを付けるなど、コロナ対策をバッチリ講じていました。店員は全員マスクにフェイスシールドを付け、ビニールの使い捨て手袋を着用しています。

 しかし、そこはアメリカ。店内はウエイターさんが一生懸命メニューの説明をしてくれるのですが、ほかのゲストの話し声とBGMに紛れて、何を言っているのかよく聞こえません…。

 しかも、流通などにも乱れが生じているのか仕入れ状況も良くないようで以前と比べてメニューの種類が限られています。このことは、この店だけでなく、ロサンゼルスの各レストランで見られる傾向でしょう。テーブルサイドで作る有名なグリークサラダもメニューから姿を消していました。

 食事中はマスクを外してOKですが、席に案内されるまで、またはお手洗いを使用する際にはマスクが必要です。しかし、元々アメリカではマスクを付ける習慣がないため、マスクをせずにお手洗へ入っていくお客さんも少なくありません。

 パンデミック以前はお気に入りのレストランでしたが、新しい規制の下、店内飲食を再開するのにまだ慣れていない様子でした。スタッフの数も減らしているようで、ディナー2人で約5万円もするお店にしてはギクシャクしたサービス…。いつもとは違うだろうと、ある程度は覚悟はしていましたが、ついつい不満が出てしまいました。

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