「社運をかけた企画。これ売れないとほんとやばい」 名産品セットPRのツイートが話題、必死さの理由を聞いた

浅井 佳穂 浅井 佳穂

 「弊社の社運をかけたプロジェクトです。これが売れないとほんとにやばい」-。京都府宇治市にある製菓会社の社員が、自社製品を含む地元の名産品セットを懸命にアピールするツイートを投稿し、話題になっています。なぜここまで必死のツイートをしたのか。会社の現状を含めて、投稿した本人に聞きました。

 ツイートしたのは、宇治市の製菓会社に勤務する女性(32)です。宇治市には10円硬貨に刻まれている鳳凰堂で有名な平等院をはじめ、抹茶を使ったスイーツなど、観光資源が豊富にあります。

 しかし、新型コロナウイルスの感染が広がった影響で、2月以降は観光客が激減しました。女性の勤務先も売り上げが急減し、店や社員を休業させるしかありませんでした。宇治市内に多くある土産用の食品を製造する会社も、同様に多くの在庫を抱えたといいます。

 ピンチを打開しようと、ライバルたちが手を携えてつくったのが「宇治土産集合ギフト」です。宇治を代表する宇治茶や人気の茶団子、そしてしょうゆ醸造業者による濃口しょうゆなどを詰め合わせ、格安で提供しようという企画です。もちろん、女性の勤務先の製品であるわらび餅や抹茶あめも入っています。

 女性は以前からツイッターのアカウントを持っていましたが、ジャニーズ事務所のアイドルグループ「A.B.C-Z」のことを中心につぶやいており、仕事に関することはあまり書き込んでこなかったそうです。しかし、勤務先がばれるのを覚悟しながらも、「友人やフォロワーが買ってくれて売り上げが伸びるといいな」という思いから、6月9日に名産品セットについて、こう投稿しました。

 「弊社の社運をかけたプロジェクトです。宇治のおみやげをぎゅっと詰めたやつなんですけど、これが売れないとほんとにやばいので、助けると思って見るだけ見てほしい」

 ツイートは瞬く間に拡散。6000回以上リツイートされたほか、「勢いで購入した」「京都行くときいつも買うやつ全部入ってる」などのコメントが付きました。

 女性は「こんなにもリツイートや『いいね』の数が伸びてびっくりしました。コメントも好意的なものばかりでした」と驚きを隠しません。

 さらにツイートが拡散された結果、この名産品セットには100個以上の注文が入ったそうです。女性は「会社に採用されて5年になりますが、やっと仕事らしい仕事ができた」と謙遜を込めて話します。

 名産品セットは送料込みで3980円。宇治商工会議所が運営する「京都宇治土産.com」などから申し込みができます。

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