高校生がクレジットカード情報盗んで逮捕…明細確認など所有者は防犯意識を徹底

小川 泰平 小川 泰平
気をつけたいカード詐欺(weerapat1003/stock.adobe.com)
気をつけたいカード詐欺(weerapat1003/stock.adobe.com)

 アルバイト先で不正に入手したクレジットカード情報を使って航空券を購入した電子計算機使用詐欺の疑いで、横浜市の私立高校2年の男子生徒(16)が警視庁組織犯罪対策特別捜査隊に逮捕されたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は25日、当サイトの取材に対し、カードを持つ人がネットで通知される明細を確認していないことが少なくないことを指摘し、防犯意識を促した。

 警視庁によると、男子生徒は今年1月、他人のクレジットカードを使って航空券4枚、計約14万円相当をだまし取った疑い。男子生徒はスーパーマーケットでレジ係のアルバイトをしており、買い物客のカードを盗み見るなどして情報を入手。昨年11月から今年2月にかけて約80人分のカード情報を盗み、航空券を予約し、ホテル代なども含めて旅行代として使っていたという。被害総額は1000万円以上とみられる。

 小川氏は「クレジットカードの番号等の情報でクレジットカードを利用することもできます。通常はカードを利用すると月に1回、利用明細書が送付されてきます。最近は簡略化が進み、ネットで明細書が確認できるようになっているが、確認をしない方が多いと聞いています。最近もクレジットカード関連の犯罪は多く、カード会社も不正利用のチェックは厳しくなってはいます。カードの所有者が普段使われている買い物のデータカードをAIが把握しており、普段と全く異なるジャンルの買い物をしたり、例えば高額なカメラを同一日に複数購入したり等、普段と異なる利用状況があれば、カード会社から確認の電話が来ることもあります」と解説した。

 今回の事件発覚は、カード会社から連絡を受けた航空会社が警視庁に相談していたことが発端になったという。

 その上で、小川氏はクレジットカードを持つ人に対して注意喚起した。「高級店では『テーブル精算』の場合もあります。来店客はテーブルに座ったまま、精算時にカードを店員に託し、あとでサインだけするというものです。お店は信頼できても、中には、よこしまな考えを持つ者が店員の中にいないとも限らない。カードを持っていかれている間、盗み見どころか、しっかり番号を控えられている可能性もありうるわけで、任せきっていると被害から逃れられない」と指摘した。

 さらに、同氏は「クレジットカードの明細書が郵送されても封を切らずに見ない人がいる。それで、すぐ見られるネットでの通知が増えているが、それでも確認しない人がいる。過去に、3000円ずつ何年間にも渡って勝手に引き落とされていたケースがあったが、被害者はその間、通知を見ていなかったので気づかなかった。めんどうでも確認しなければいけません」と付け加え、「最近ではクレジットカードを利用すると、その都度メールで通知のサービスをしているカード会社もあります。自分で使った覚えがないものがあれば、まずカード会社に連絡して止めることが第一。それから警察です」と呼びかけた。

 今回の事件について、小川氏は「カード会社が被害者になりますが、損害賠償で訴えられるのは今回の場合は容疑者が16歳の少年ですから保護者になります」と指摘。「カードを不正に使われたことが分かるのに、つまり、被害が発覚するのには実際に請求が来る1カ月−50日後くらいになることが多く、被害が増える理由の1つでもあります。今はネット等でも利用状況が簡単に分かりますので、定期的に確認するなど防犯意識を持って頂きたい」と警鐘を鳴らした。

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