日本酒ラベルに手書きで「たすけてください」 コロナで販路消えストレートすぎる銘柄  

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 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で、滋賀県湖南市の酒造会社が、輸出用に製造した四合瓶1万本分の純米大吟醸酒の販路がなくなり、頭を抱えている。国内需要も低迷する中、保管経費がのしかかり、苦肉の策として国内販売を始めた。付けた銘柄は「たすけてください」。

 竹内酒造(同市石部中央1丁目)。県内ではいち早く20年前から輸出を始め、近年は米国や中国、香港などに販路を拡大。全出荷量のうち輸出向けが13%を占め、全国平均の5%を大きく上回る。 

 ところが、今年はコロナ禍で2月以降、大口の米国や中国から発注が途絶えた。品質悪化を避けるため、倉庫を借りて冷蔵保管するが、月数十万円かかることから国内販売を決めた。「たすけてください」の銘柄は蔵の率直な思いから名付け、費用抑制のため題字はパート従業員の手書きだ。

 県酒造組合によると、今年4月の県内酒造会社の出荷量は前年比でほぼ半減。全国平均の約2割減と比べて落ち込みが激しい。同組合は「全国が好調なのは家飲み用に大手のパック酒が売れているため。滋賀の地酒はホテルや居酒屋など業務販売中心で厳しい」と解説する。

 同社も5月の販売は前年比35%にとどまる。輸出用は銘柄のユニークさと、高級酒米の山田錦を使いながら定価の3割安で好調というが、松本太三専務は「正直、この酒以外は売れていない。県内の酒蔵もみな厳しい状況で、ぜひ滋賀の酒を飲んでほしい。助けてください」と話す。

 720ミリリットル1540円。甲賀、湖南両市の酒販店や同社のホームページで今月末まで販売する。同社0748(77)2001。

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