コロナ禍に伴うステイホームでペット用品が売り上げ増…ペットとの生活に安らぎ求める傾向

最新流通論

渡辺 広明 渡辺 広明

 流通アナリストの渡辺広明氏が「ビジネスパーソンの視点」から発信する「最新流通論」の今回は「ペット用品」がテーマ。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛により、自宅でペットと過ごす時間が増えたことを背景として売り上げが伸びているという。その現状をリポートする。

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 僕のSNS上で知り合いが立て続けにペットを飼い始めています。

 ペット用品の売り上げを見てみると、経済産業省商業動態統計のホームセンターにおいては、売り上げが3月度時点で105%と伸びており、直近でもペットフードメーカーにヒアリングすると、やはり1・2倍程度になっていて、特にドックフードはかさ張り、インターネット通販がコロナ禍で売り上げが特に増えているようです。

 ステイホームの期間が2か月弱続き、自宅でペットと過ごす時間も増え、ペットの生活を充実させてあげたいという気持ちが働いたのではと業界関係者では言われています。

 一般社団法人「ペットフード協会」によると2019年の犬の飼育頭数879万7000頭、飼育世帯率12・55% 猫の飼育頭数977万8000頭と、住環境の問題もあり犬は減少、猫は緩やかに増加となっています。15歳未満の子供の人口の約1・2倍となっています。

 正式な数字はまだ出ていませんが、ペットフードメーカーに話を聞くと、コロナ禍ではペットを飼う人が増えているようです。外食や行楽・イベントなどの自粛が続いていることもあり、ペットとの生活に癒し安らぎや楽しみを求めているのが理由ではないかと言われています。

 ペットの譲渡会や自治体の動物保護センターなど、ペットショップ以外のペットとの出会いの場も増えている事も大きいようです。ペットは生き物なので、安易な受け入れは飼育放棄を引き起こし、殺処分という悲しい結果になる事を理解する事が大切です。

 ローソンバイヤー時代、ムツゴロウさん(編集注・作家の畑正憲氏)とメーカーと組み、商品開発をさせて頂いていた時、ムツゴロウさんの知見で犬が喜ぶフードを作ろうとなり、犬の好きな臓物フードのサンプルを作って頂いたが、人間がとても耐えられない臭いとなり、販売が難しいと結論になりました。ペットとの共存には課題も多いなあと考えた事も思い出します。

 実は我が家でも、2月始めから、愛犬を飼い始め、毎朝6時30分に「キュンキュン」と散歩に連れて行ってくれとの目覚めましが鳴き、人生初めて規則正しい生活を送っています。

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