コロナ禍の逆境から、猫の命とつながる「ねこねこチーズケーキ」が人気…保護猫活動にも協力

北村 泰介 北村 泰介

 猫型のチーズケーキがSNSで話題になっている。名古屋発で、テイクアウト専門の1号店「ねこねこチーズケーキ自由が丘店」が5月20日に都内でオープン。6月に入っても連日、完売が続いているという。実際に味わいながら、運営会社の担当者に話を聞いた。

 ベーカリーなどを展開する「オールハーツ・カンパニー」(名古屋市)が昨年立ち上げた猫の顔をかたどった食パン専門店「ねこねこ食パン」の姉妹ブランド。オンラインショップでも全国に発送している。

 さっそく「ねこねこチーズケーキ」(1800円)を食べた。幅は縦横ともに11センチ、高さ5センチ、重さ約500グラム。チーズケーキの種類としてはタルト生地の土台に包まれた「ベイクド」となる。表面に塗られたアプリコットジャムのフルーティーさとチーズクリームの相性も抜群。濃厚な甘さが、さっぱりとしたジャムで中和される。また、冷凍状態だったクリーム部分が解凍していく過程で、その味の変化も楽しめた。

 同社の担当者は当サイトの取材に対して「弊社の企業方針として『Make Happiness』を掲げており、商品のおいしさに加えて『楽しさ』を味わっていただければと思っています。『ねこねこ』という新たなキーワードを組み込むことにより、新たな世界観を作り出すことに成功しました。愛猫家の方をはじめ、猫の形という親しみやすさで子どもから大人まで幅広くご好評いただいております」と説明した。

 公式ツイッターには「早速沢山のご注文頂きありがとうございます!コロナで急に仕事を失って絶望しておりましたが…皆さまにお仕事頂き感謝感謝です。一つ一つ一生懸命作らせて頂きます!」というメッセージも。担当者は「弊社グループ全体として新型コロナの影響を大きく受け、店舗はもちろん、店舗販売用の商品を生産しております自社工場も生産量全体が落ちておりました。このような状況であるからこそ『世の中を元気にしたい』『もっともっと商品を生産させていただきたい』という思いを持って開発させていただいた『ねこねこチーズケーキ』が多くのお客様よりご注文をいただき、ツイッターでも心温まるようなお声もいただくことができました」と明かした。

 今後も外出を控える傾向は続く。同社ではオンラインショップのラインナップを増やしたところ、売り上げベースで通常の約70倍もの注文を受けた日もあったという。担当者は「しかし、自粛が徐々に解除されていく中、やはりお客様ニーズも下降をみせております。これらを経験し、オンラインショップ期待度に焦点を当てるというよりは『時事的な事象に合わせて私たちが今できる事を考えていく事』が非常に大切だと認識しております」という。

 チーズケーキの形状だけでなく、実際の「猫」についての思いも聞いた。

 「様々な感情が渦巻く人間社会において猫(動物)が与えてくれる癒しというものがあるのかも知れません。しかし、今回のコロナ禍において、保護猫の譲渡会が中止になり、残念ながら殺処分されてしまう猫(動物)もいるようです。我々ができる事として、微力ではありますが、少しでも保護猫活動に協力できるようにと考え、ツイッター企画を組ませていただき、団体への寄付をさせていただいております。アピールという訳ではありませんが、『コロナの影響を受けているのは我々人間だけではない』ということを伝えさせていただければと思います」

 保護猫活動への協力や団体への寄付。猫型のチーズケーキは、リアルに「猫」の命とつながっていた。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース