コロナ禍に伴う緊急事態宣言が解除され、休業していた様々な業種の店舗が再始動している。都内のJR新橋駅前で「サラリーマンの聖地」と称されるニュー新橋ビル内にある東洋気功整体院「珍雲堂本店」も5月末から営業を再開した。だが、宣言解除後、東京都では再び感染者が増えるなど、第2波以前に、依然として第1波が続いていることが顕著になってきた。同院の楊珍雲院長は当サイトの取材に対し、家庭でもできるコロナ対策や予防の心構えを説いた。
楊院長は中国浙江省の出身。同省の病院で看護師として医療に従事する間に上海中薬大学で気功整体技術などを習得し、来日後、同ビル内に中国人として初出店。現在は珍雲グループとして3軒の整体院を営み、スタッフと分担しながら施術に当たっている。
入店時に感じたのは、徹底した衛生管理。入口で手に消毒液をまぶし、うがいをして、再度、石けんで手を洗う。その間、楊院長は記者が脱いだ服、靴、カバンに消毒スプレーを噴射した。店でマスクを配布し、施術時は間隔に配慮する。
楊院長は「マスクを外す時にはヒモから外してください。マスクの表面とかを触って外すのはダメです。手にウイルスが付くかもしれない。あと、外したマスクをポケットに突っ込むのもダメ。表を外側にして折りたたんでビニール袋などに入れておく。ウイルスは服に付いたら3時間は残ります。時計とかイヤリングなどの金属も気を付けて。ウイルスが付いたら3日間くらい留まるから」と日頃の危機意識を説いた。同院のスタッフは「楊先生は中国で看護師としてSARSを体験しているので、菌に関してはうるさいというのはあります。人のいない夜間も紫外線のUVランプで店内の殺菌をしています」と補足した。
施術を受けた。楊院長の指はふくらはぎから膝裏のリンパ、さらに臀部へと滑り込んで来る。楊院長は「ふくらはぎから下半身の血を上半身に送っていくことで内臓、喜ぶね。経絡リンパ施術で血液の循環よくなって、ポカポカして体温上がる。血流を良くし、体温を上げることで、免疫力を高めて抵抗力を強めるの」と解説した。
さらに、親指と人差し指の間の付け根「合谷(ごうこく)」を押された。痛い。しびれる感じだ。楊院長は「これ、肩とか目に効くよ。それと、腕の三里のツボもいい。首リンパでは脳と肩がスッキリ。人体には陰陽バランス調整のツボがある。自分でも簡単にできますから、日頃から家でやってみてください」と提言した。
施術後、楊院長は「家でできる体操もあります」と、立った状態で記者と向き合い、足の甲を踏んだ。足裏だけでなく、甲にもツボがあるのだといい、「お一人でも自分で片足ずつ踏むことでセルフケアになる」と呼びかけた。
暑くなる季節、楊院長は飲み物にも注意した。「日本人は冷え性の方が多いです。冷たい飲み物、ビールとか皆さん好きでしょ。でも、いくら暑くても、今の時期はできるだけ控えた方がいい。免疫を高める要因の70%は胃腸にある。温度を上げて免疫力が高まるとコロナは(体に)入りにくくなります。朝は胃腸が冷えるのでショウガ・スープ飲む。干したショウガをゆっくり、みそ汁作るみたいに煮て、お腹すいた時に飲む。これで冷え性が直り、胃腸にもいい。辛いという人は少し黒砂糖を入れて。白い砂糖はダメ。お昼は常温の飲み物を飲むこと。夜、お酒飲む人は、紹興酒が漢方薬にもなるからいいね。少し温めて黒砂糖入れるとすごく血流がよくなる」
同院のスタッフは「珍雲堂の施術は血液の循環を良くして代謝、免疫力を高めていく施術を常に心掛けています。今後、YouTubeなどで、在宅の方へのセルフケアや薬膳料理など、楊先生のキャリアとキャラクターを生かしながら状況に応じてやっていきたいです。要望があれば出張サービスも考えています」と語る。楊院長も「お年を召した方には出張できたらいいね。施術を通して免疫力を高め、コロナに感染しにくい体作りにつなげたい」と意欲的だ。