日本にもこんなユーモアが!消防ホースで作った藤沢市消防の”人文字"が「グッジョブ!」と話題

広畑 千春 広畑 千春

 コロナ禍のうちに春が過ぎあっという間に初夏に。長引く外出自粛生活に多くの人が疲れ果てる中、神奈川県藤沢市の消防隊員たちが少しでも市民を励まそうと考えたかわいい人文字が話題を集めています。救急を始め感染リスクも高い現場で、さらに堅い仕事というイメージも強い消防で、あえてユーモアあふれる表現に挑んだワケを取材しました。

 人文字は、藤沢市消防局南消防署が、市の公式フェイスブック「カラフルフジサワ」に今月14日に投稿したもの。それを見た人が翌日、「日本にもユーモアある消防あるんだ。素敵やん」とTwitterに投稿したところ瞬く間に拡散され、18日16時までに3.1万リツイート、12.9万いいねを集め、「藤沢市消防GJ(グッジョブ)」「すごい力作」「日本の消防士さん、海外に負けてないです」などのリプが寄せられています。

―なぜ人文字を作ろうと?

「神奈川県には現在も緊急事態宣言が発令されています。生活や経済が不安な中、外出を自粛している市民の皆さんを励まし、元気になれるメッセージを送りたいと各部局が『フジサワ元気チャレンジ』という企画を行っています。その一環で、少しでも市民の皆さんが笑顔になり、安心して過ごせるように、ホースなど消防署ならではの道具を使い、『STAYHOME』をお届けしようと思いました。また、これから気温の高い季節になり、屋内でも屋外でも熱中症が心配されますので、皆さんが普段あまり目にすることのない訓練風景と、消防活動の熱中症対策をご紹介し、「一緒に頑張ろう」という気持ちと共に、熱中症にも警戒をお願いしたいと思います」

 ―こういう表現方法はかなり珍しいと思いますが、すぐOKは出たのですか?

「はい。今回のように現場で活動している隊員からの広報活動は初めての試みだったのですが、快く後押ししてくれた上司や協力してくれた仲間に感謝しています」

 ―懐が深いですね!絵もかわいいですし。撮影はいつされたのですか?

「消防隊員は、お昼(12~13時)と夕方(17~18時)に休憩時間があります。もちろん災害があれば出動するのですが、その休憩時間で行いました。今回撮影に参加した隊員6人が、できるだけ市民の方々に親しみを持って頂けるようにと知恵を絞って下絵を描き、配置を調整し、訓練塔(高さ約7m)から撮ったようです」

 ―その素早さ…さすがですね!話題になったことについては?

 「まず、この様な取材を受けることに驚いています。また、他の消防本部からも同様の取り組みを行いたいとの問い合わせがありました。市の公式フェイスブックでも多くの『いいね』をいただきました。新型コロナの影響で消防署だけでなく全市的な対応が続いていますすが、今後も消防士みんなが一丸となって、仲間である消防職員を含め、多くの人々に笑顔を伝えていけたらと思います」

 と話してくれました。15日には千葉県我孫子市消防局も感染予防を訴える「SOCIAL DISTANCE(ソーシャルディスタンス)」の人文字を市の公式Twitterで披露しました。新規感染者の減少で「緩み」も指摘されますが、厳しい現場だからこそ、また辛さを知るからこそ、責めるのではなくあえてユーモアで伝える。メッセージもですが、その心意気がかっこいいですね!

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