車が汚れるから、他人の子供は乗せられない!…雪の日に見た金持ちママの本性

島田 志麻 島田 志麻

これは私の子供が幼稚園に通っていたときの強烈な思い出です。離婚して引越したばかりの私は、子供がすぐに保育園へ入ることができず、とりあえず延長保育のある地元の幼稚園に入れることにしました。その幼稚園は働くママが多いものの、地元では「金持ち」が通う幼稚園としても有名でした。

娘が幼稚園バスで通う事になった私は、バス停で何人かのママ友と毎日顔を合わせることになります。みんな至って良い人だったのでホッとしましたが、そのなかにはボス的な存在A子さんがいました。A子さんはバス停にいつもブランド物の洋服とバッグを持って来るセレブママです。毎日の会話でも「昨日は銀座に行ってランチした」だの「主人の誕生日に高級腕時計を用意した」だの、セレブをアピールするものばかりでした。

そんな冬の寒い日の朝、幼稚園バスを待っていると雪が降ってきました。思いがけず大雪になり、待っている子供たちは身体が冷えて震えています。私も含め、親たちは必死になって子供を抱きしめ、幼稚園バスが来るのを今か今かとまっていました。

そのとき、バス停から近距離にも関わらず、自宅から車でA子さんがやってきました。その車は、一目見ただけでもわかるような高級車です。息子を後部座席に乗せ、自分は運転席から顔を出し「スゴイ降ってきちゃったね!」と言います。車から自分と息子は降りず、エンジンを掛けたままバスを待つようでした。

雪の影響か、幼稚園バスはなかなか来ません。しかも、幼稚園の制服はスカートか半ズボンなので、子供たちは素足が出ている状態でブルブル震えています。そのうち年少組の小さい子が「足が痛い」と泣きだしました。みんなは思わずA子さんの車を見ました。子供たちだけでも車に乗せ、暖めてやりたかったのです。

それに気づいたA子さんは気まずい顔をして、車の窓から身を乗り出して言いました。

「ごめんねえ、うちの車、汚れた靴で乗せると主人が怒るの。だから、乗せてあげられないのよ…」そう言って窓を閉め、自分と自分の息子だけは暖かい車でぬくぬくと過ごしたのです。

確かに、待っている子供たちの足元は雪で濡れてぐちゃぐちゃ。しかし、だからこそ足先がかじかみ、寒さで震えて泣いている子がどんどん増えてきました。しかし、A子さんは見てみぬふりをするばかり。二度と窓を開けることはありませんでした。寒さで震えて泣いている子供を見ても「車が汚れるから」といって知らんぷりをするとは…。

その後まもなくして幼稚園バスが来ましたが、子供がいなくなったあとのバス停の雰囲気は最悪。自分だけ良ければ良いというセレブママA子に、その日からみんな冷たくなりました。

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