見るだけでお花見気分の和菓子「幸せな気持ちに」と話題…花見できずも「心明るくなって」と老舗の店主の思い

天草 愛理 天草 愛理

 毎春、大勢の花見客でにぎわう京都市内だが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、桜が満開となった後も人の往来は少ない。そうした中、京都の老舗和菓子店の社長が「心明るくなって頂ければ」とあでやかな干菓子の写真をツイッターに投稿した。春をイメージした意匠の美しさに「ホッと和みました」といったコメントが相次ぎ、「いいね」が1.2万件付くなど話題を集めている。

 京都市東山区の祇園地区で江戸時代から約300年続く和菓子店「鍵善良房」。今西善也社長(47)は、店の重厚な外観にも気後れすることなく気軽に来店してもらおうと、かねてからSNSに商品の写真を投稿してきた。

 話題となった干菓子の詰め合わせ「園の賑(にぎわ)い」は、創業まもない頃から製造しているとされる代表的な菓子の一つ。多くの舞妓や芸妓がいる花街・祇園の華やかさをイメージしており、季節ごとに変えている意匠は約200種類ある。

 投稿した詰め合わせは3~4月に販売しているもので、桜を模したらくがんや色とりどりのゼリーが木箱にぎゅっと詰め込まれ、春らんまんの風情を感じさせる。今西社長が「京都のお菓子は見ても楽しめる。自分たちの作るお菓子で楽しんでもらえたら」と投稿したところ思わぬ反響を呼び、リプライ欄には「春の温かさを感じられたような穏やかな気持ちになりました!」「幸せな気持ちになります」といった声が寄せられた。

 今西社長は「今年も観光客がたくさん来てくれることを楽しみにしていたが、暗くなっていても仕方がない。ツイッターでコメントをもらったことで『この苦境を乗り切って頑張ろう』と励みになった。新型コロナウイルスの問題が落ち着いたらお店に来てほしい」と話していた。

 「園の賑い」は全4サイズで、価格は1200~5000円。

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