福岡県に住む中村さんは、きいちゃんという猫を1匹飼っていたが、お留守番の時、相棒がいたら寂しくないだろうと思い、もう1匹猫を迎えることにした。譲渡サイトには、不妊手術をしていなかった飼い猫が産んだ子猫たちが掲載されていた。
留守番の相棒を探して
2013年4月、福岡県に住む中村さんは、きいちゃんという猫と暮らしていたが、仕事に行く時、きいちゃんが1匹で留守番をするのは寂しかろうと、もう1匹猫を飼うことにした。譲渡サイトを見ると、保健所に連れて行かれそうな猫や殺処分寸前の猫が掲載されていた。
「ペットショップでも猫は売っていますが、いまある命が亡くなるのを防ぎたい。猫の種類にこだわりはなかったので、保護猫を譲渡してもらおうと思いました」
きいちゃんが生後9カ月くらいになっていたので、きいちゃんが受け入れやすいよう、年の近い子を探した。
子猫が産まれるたびに譲渡
譲渡サイトには、飼い猫の母猫が産んだという子猫たちが載っていた。写真には5匹の子猫が写っていたが、実際に会いに行き、フィーリングが合う子を選ぶことにしたそうだ。里親を募集していた人に話を聞くと、完全室内飼いではなく、猫を家の中と外、自由に出入りさせていて子猫が産まれたという。不妊手術をする気はまったくないようで、前にも譲渡したことがあるようだった。
生後1か月くらいの子猫が5匹いたが、中村さんは、母猫とも他の子猫とも離れて、ひとりでポツンとたたずんでいたむうちゃんを選んだ。
「元気なのですが、他の子猫と交わらず1匹でいて、マイペースな感じでした。みんな可愛くて、なんならみんな飼いたいと思いましたが、むうを迎えることにしました」
いつも大きな声で鳴いてごはんを催促
むうちゃんは、母猫や兄弟猫と離れて不安だったのか、ものすごく鳴いたが、何日かするとなれてくれたという。
「先住猫のきいとの相性が心配でした。きいは威嚇はせず、手をちょんちょんと伸ばしてちょっかいを出していました。しばらくすると、一緒に寝たり、遊んだりして仲良くなりました」
むうちゃんは食いしん坊ではないが、ごはんの時間になると大きな声でニャアニャア言って催促する。
「いつもならにゃあにゃあ言って近付いてきたので、むうが入院していなくなった時、急に催促する声が聞こえなくなって寂しく思いました。ごはんの時だけじゃなく、何気ない瞬間に、むうがいない寂しを感じたんです」