個人で猫の保護活動をしている人が、妊娠した母猫を保護した。その後、子猫たちが無事産まれ、譲渡サイトを通じて里親を募集。まるくん、こあくんは、兄弟揃って一緒に引き取られることになった。
保護猫を飼おう
岡山県に住む中村さんは、独身時代、知り合いがペットショップに勤めていたので、ロシアンブルーを飼っていた。その子が亡くなってからも、ずっと猫と暮らしたいと思っていたが、結婚してからはアパート暮らしだったので、友達の猫を触らせてもらうくらいで満足していた。その後、戸建ての家を購入したのをきっかけに猫を飼うことにした。周囲の友人もみんな保護猫を飼っていたので、保護猫を飼おうと自然に思っていたという。
あちらこちらの譲渡サイトを検索して、三毛猫の子猫が目に留まったが、既に別の里親さんが決まっていた。まるくん、こあくんは、その三毛猫の兄弟だったのだが、あまりにも可愛くて、すぐに会ってみることにしたという。
「保護主さんがお母さん猫を捕獲したら、妊娠していたそうです。近くの駐車場で会って、その場で子猫を見せてもらいました。こあのほうは猫風邪がひどくて、右目の瞬膜がおりたままでした。一瞬迷ったのですが、生活に支障がないそうなので、譲渡してもらうことにしました。まるも猫風邪をひいていました」
個人で猫の保護活動をしている人に保護された。その人は、2匹を引き渡す時、別れるのが寂しいと駐車場で号泣した。
お母さん猫からバトンタッチ
まるくん、こあくんは、2017年9月6日生まれ。母猫も一緒に保護されたので、子猫たちは母乳をたっぷり飲んで、母猫の手で育てられた。生後3カ月くらいの時に中村家にやってきたのだが、お母さん猫と離れ離れになっても、警戒することもなく、寂しがることもなかった。よく食べて、よく飲み、元気に育ったという。
中村さんは、最初から子猫を飼うなら2匹一緒に引き取りたいと思っていた。
「小さい頃から一緒にいたほうが社会化もうまくいくし、友人も多頭飼いしていたので。留守番する時も寂しくないかなと思ったんです。猫のストレスにならないよう、別々に育った子猫ではなく、2匹一緒に育って、互いになれている子を希望しました」
忖度をする猫、しない猫
まるくん、こあくんは、兄弟仲良しで、一緒に遊んだり、グルーミングしたりしている。ただ、性格は、まるくんが長男気質。悪いこともするが、人の顔色をよく見ていて、怒られないように気を付けている。食べモノに執着があるので、他の猫が食べているものを取ろうとするが、人が見ていると分かったらやめる。「まる、だめよ」という言葉を理解しているという。
こあくんは、マイペースで、気分がのってきた時だけ甘えてくる。まるくんのように人の顔色をうかがうことはまったくない。やりたい時にやりたいことをやる。食べモノへの執着はほとんどなく、まるくんにフードを取られても怒ることはない。ただ、戸棚の中のビニールやティッシュを丸めて遊ぶのが好きで、トンネルの中に持って入って遊ぶという。