野良猫が産んだ子猫 足にケガした子猫を保護「リリースしないで我が子に」

渡辺 陽 渡辺 陽

金子レオくんは、金子さんの隣人宅に母猫と一緒に出入りしていた。隣人は、野良猫なのでうちの子ではない、そのうちいなくなると言った。金子さんはしばらく様子を見ていたが、レオくんは脚に怪我をして俊敏に動けなくなっていた。

 

そのうちいなくなる

2019年の春、千葉県に住む金子さんは、隣の家にいた猫が2匹の子猫といるのを見た。出産したようだった。猫じゃらしで遊んであげると、子猫たちは嬉しそうに遊びだした。隣の人に「かわいいですね」と言うと、「そのうちいなくなっちゃうけどね」と言われたそうだ。

隣人の飼い猫だと思っていたのだが、「野良猫なんでエサをあげているけど、うちの猫じゃない」と言う。子猫たちは、母猫の乳を飲み、ぴょんぴょん跳ねるように無邪気に遊んでいた。

6月になると、1匹の子猫が脚を引きずっていた。母猫と兄弟猫の動きについていきにくいようだったので、金子さんはTNRしようとした。

「母猫も兄弟猫もいたので、私が飼うより戻したほうがいいと思ったんです」

 リリースしないで我が子に

金子さんは捕獲機を持っていなかったので、玄関先にダンボール箱を置き、ごはんを入れて子猫が入るのを待った。子猫は箱の中に入ったのでふたを閉めると、驚いて暴れていた。近くにいた母猫も「何をするの!」という感じで、金子さんの足の周りをうろつき、顔を見つめながらニャアニャア鳴いていたという。金子さんは母猫に「しょうがないんだよ、これで保護するんだよ」と心の中で言った。

子猫は、動物病院に連れて行くためにキャリーケースに入れると、しばらく暴れていたが、診察台に乗せるとおとなしくなった。

去勢手術をしてリリースするつもりだったが、獣医師が、「雄猫か何かに咬まれた跡がある。リリースしても母猫が受け付けないかもしれない」と言うので、金子さんが飼うことにしたという。生後4カ月くらい。名前はレオくんにした。

隣人には、保護したことを伝えたそうだ。

一番活発な猫に

母猫は、いまも毎日金子さんの家にやってくる。我が子だと分かっているのかいないのか、網戸ごしにレオくんと顔を合わせている。

金子さんは、2019年12月、捕獲機で母猫を捕獲してTNRした。

レオくんは、金子家の猫の中でも一番活発な猫になった。後から来た猫にも興味津々。自分から近づいていくという。ただ、好奇心旺盛なあまり、乗れるか乗れないか分からないようなところにもチャレンジ。ジャンプをしたはいいが落ちてしまうこともある。

先住猫の宙(そら)くんはマイペースで、新しい猫が来ても知らん顔だが、レオくんとは一緒に遊ぶ。

「宙がレオと一緒に遊ぶようになったので良かった。一度、レオが脱走したことがあるのですが、宙が一番寂しそうにしていました」

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