ホテルに宿泊した客の車のエンジンルームに1匹の子猫が入っていた。偶然鳴き声を聞いた従業員がレスキューし、地元で活動する保護団体、淡路ワンニャンクラブに持ち込んだ。同じ頃、ホームセンターの前に遺棄された子猫の里親になろうとしていた田中さんは、2匹一緒に引き取ることにした。
エンジンルームから子猫の声が
2019年10月10日、野良猫の子猫がホテルニュー淡路に宿泊していた人の車のエンジンルームに入っていた。ニャアという鳴き声にホテルの従業員が気付き、取り出したという。入っていたのは1匹だけだった。
ホテルの従業員は仕事を抜け出し、淡路ワンニャンクラブに子猫を託しに来た。居合わせたボランティアは、小さい子猫にミルクをあげる時間が迫っていたので、動物病院から戻ってきたボランティアが子猫を預かり、再び動物病院に取って返した。生後2カ月くらい、人をまったく怖がらない、やんちゃな男の子だった。仮の名前はニュータンになった。
猫愛にあふれていた淡路ワンニャンクラブ
兵庫県に住む田中さんは、猫を飼おうと思い、9月にペットの飼える賃貸住宅に引っ越した。生活も落ち着いてきたので、10月、猫を探し始めたという。数年前に淡路ワンニャンクラブのことを知り、ブログを読んでいた。
「野良猫が厳しい環境の中で生きていること、なかなか里親が見つからないこと、次々猫を保護しなければいけない葛藤などが綴られていて、猫愛にあふれていたんです。淡路ワンニャンクラブから1匹でも引き受けられたらと思いました。1匹里親が決まると、新たに子猫を1匹保護できるとも書いてあったんです」
田中さんが淡路ワンニャンクラブのブログを見ると、ココリちゃんという子猫が載っていた。ホームセンターの前に遺棄されていて、偶然通りかかったボランティアに寄って行ってスリスリしたという。譲渡してほしいと淡路ワンニャンクラブに連絡すると、寂しがりなので、1匹より2匹で飼ったほうがいいのではないかと言われたという。
2匹一緒に譲渡
猫を飼うのは初めてなので、1匹飼うか2匹飼うか迷ったが、翌日ニュータンが保護されたと聞き、相性が良かったら2匹一緒に譲渡してもらうことにした。
ココリちゃんとニュータンくんは、顔を合わせるとすぐに遊び始めて、意気投合した。
10月27日、2匹に会って正式譲渡してもらったが、ニュータンくんは田中さんの顔を見るなり喉をゴロゴロ鳴らして喜んだ。ココリちゃんは猫風邪をひいていて、身体も小さく弱々しく見えたそうだ。
田中さんは、ニュータンくんをごんぞうくんに、ココリちゃんをにぼしちゃんという名前にした。
「2匹とも人がそばにいないといけないし、ごはんを食べるのも遅いし、とても外では生きていけなかったんじゃないかと思いました」
ごんぞうくんは人にはツンデレ猫だが、にぼしちゃんの姿が見えないとニャアニャア鳴いて寂しがる。にぼしちゃんは、人が大好きな甘えん坊。一緒によく遊び、すくすく成長している。