廃業した銭湯が出会いの"バー"に変身 大卒間もない若者が運営「何でも吐き出せる場に」

京都新聞社 京都新聞社
「秘密基地こむこむBAR」を開いている炭竈さん(手前)と橋本さん=京都市南区・九条湯
「秘密基地こむこむBAR」を開いている炭竈さん(手前)と橋本さん=京都市南区・九条湯

 京都市南区の廃業した銭湯を活用したレンタルスペースで、今春に大学を卒業したばかりの男性2人がコミュニティーバーを開いている。銭湯が地域の交流の場だったこともあり、「飲食を通じて出会いの場として利用してほしい」と意気込んでいる。

 この春に龍谷大を卒業した炭竈(すみがま)昌人さん(22)と橋本雅治さん(22)。レンタルスペース「九条湯」内で、水、金、土(いずれも午後5~9時)の週3回「秘密基地こむこむBAR」を開店している。

 炭竈さんが大学入学後にヒッチハイクで日本一周した時、やりたいことがあるのに踏み出せないと話す多くの人と出会ったのがきっかけだった。「何でも吐き出せる場を作りたい」と、橋本さんらと学生団体を設立した。

 2018年2月、バーの開業を視野に伏見区の空き家を借りて改修に着手。1年以上かけて工事をしたが、店舗利用の許可が下りないために断念しかけた時、九条湯を運営する猪飼直之さん(48)から「ウチでやらへんか」と誘われた。

 昨年9月から学生団体の仲間と始め、今年1月から炭竈さんと橋本さんの2人で切り盛りしている。店では積極的に話し掛け、客同士が気軽に会話できる雰囲気をつくり出す。また、さまざまな分野で活躍するゲストを招いた交流イベントも企画し、人と人とのつながりに重点を置いている。

 高齢化が進む地域住民らにも、バーについて知ってもらおうと「町内の会合などにも参加し、交流の場があることを伝えていきたい」と計画する。2人は卒業後、バーの運営に専念しており、「いずれはさまざまな場所で出店していければ」と夢を語る。

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