京都・祇園の芸妓さんが聖火ランナーに 鴨川で毎朝ランニング「芸妓らしさを出したい」

京都新聞社 京都新聞社

 5月26、27両日に京都府内で行われる東京五輪の聖火リレーに、花街・祇園甲部(京都市東山区)の芸妓佳(か)つ雛(ひな)さん(25)が選ばれた。「気持ちを込めて、真摯(しんし)に一歩一歩を踏みしめたい。京都と日本の伝統を広められたら」と意欲を語る。

 佳つ雛さんは宇都宮市出身。「都をどりを見てあこがれた」祇園町に入り、2011年に舞妓としてデビューした。17年に芸妓となり、立方として活躍している。

 聖火ランナーに志願したのは、昨年放送されたNHK大河ドラマ「いだてん」で、五輪に関心を持ったことがきっかけ。亡くなった祖父からも、東京五輪を見た思い出話を聞かされていた。「祖父も『2回目の五輪を見たい』と言っていた。今しかできないことを」と応募した。

 府からの内定の連絡には、驚きと喜びで「思わず両手でガッツポーズしました」と笑う。その日のお座敷では部屋に入るとすぐ、お客や仲間から祝福の声があふれた。「うちが話す前から『おめでとう』って。びっくりして恐縮してしまいました」

 昔からバレエやテニスなど「体を動かすことは好きだった」と語るが、本格的に走ったことはない。内定以降は毎朝、芸事の稽古の前に鴨川沿いなどを走り、トレーニングを続ける。「京都マラソンに参加している先輩の芸妓もいらっしゃる。どうやったらきれいに走れるか、尋ねたい」

 27日のリレーに参加し、どの区間を走るかは未定。当日は規定のユニホームを着用するが、シューズや髪などは「華美にならなければ自由」(府教育委員会スポーツ振興課)という。「京都らしさ、芸妓らしさをどこかで出せたら」と佳つ雛さん。「(『いだてん』の主人公の一人)金栗四三さんも足袋で走っておられましたし」と笑う。

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